<Wコラム>韓国ドラマはうるさい2、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
<Wコラム>韓国ドラマはうるさい2、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
この三男夫婦も子どもがいないほうが、問題が起こらない分悩まなくて済むと言います。

 ドラマは未婚で将来を期待されている娘の判事が妻子ある男性の子どもを産むことでひと騒動起こります。子どもがいなかったらこんなことにならなかったのにとタイトルの「ムジャシギ サンパルチャ」を強調しています。

 また儒教の影響が強い韓国において未婚の娘が子どもを産むというあるまじき「シングルマザー」の問題を正面から取り上げています。以前なら道徳的な面から非難におしつぶされたでしょうが、このドラマでは是々非々が戦わせられ、最後は家族に温かく受け入れられます。時代と共に価値観の変わったことをよく表しています。

 物語は三世代家族が近くに住み、それぞれの家族が問題を起こすストーリーです。

 長男の娘は勉強ができ、司法試験を受け判事になりますが、家庭のある男性との間に娘を産み、その孫の不祥事を父親のために長男夫婦と兄弟がいろいろ取り繕う騒動や、定年退職した次男夫婦の葛藤、子どもが生まれないことにコンプレックスを持つ三男夫婦、次男の姑と嫁の争いなど様々な問題のテンコ盛りで、日本の連続ドラマより騒がしくうるさいといえます。

 さらに長男の年上の女性との恋、未成年との結婚問題、夫婦間の葛藤など全ての家族に問題が起こります。六十年連れ添った老夫婦の離婚騒動というおまけまでついています。

 整理しますと、主人公の老夫婦の小言と嫉妬から来る喧嘩、その長男夫婦の冷戦、定年を迎えた次男夫婦のバトルとその舅と嫁の葛藤、仲睦まじかった三男夫婦の不倫騒動、長男の娘のシングルマザー問題、その弟の年上の女性との恋愛、末っ子の高校生との結婚願望と、まあよくも家族総動員で問題を起こしぶつかり合うドラマが「うるさくない」わけがありません。日本のホームドラマでしたらせいぜい登場人物の二、三人(組)が問題を起こし、ひと悶着して比較的静かに解決に向かうのですが……。


文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)

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