「乾杯」のときは文字通りにグラスを飲み干すのが一般的です。口を付けただけとか半分飲んだだけでは場が盛り上がりません。飲み干してグラスの底を見せるのが中国ですが、韓国では一滴も残ってないことを証明するために時折頭にグラスをかかげます。韓国や中国では相手との距離を縮めるのがお酒を飲む目的の一つですから、一気に飲みグラスをかかげます。
また、日本のようにグラスにお酒が半分残ったからといってつぎ足しはしません。空になった状態で注ぎ、飲んだ後に返杯するのが普通です。
昔は日本でも差しつ差されつ飲み交わしましたが、今では少なくなりました。韓国では返杯に飽き足らず腕を絡ませ「ラブショット」をしてスキンシップをします。さすがに最近では少なくなりましたが、気分が良ければ首に巻いているネクタイをほどき部下に与えたり交換したりして親密さを表します。
杯を左手で受けるのはマナー違反という点では両国とも同じですが、韓国では日本以上にこだわります。左利きでもグラスは右手で受けるのが礼儀です。相手に注ぐときは左手を添えますがこれは目上の人に限ります。同僚や友達に手を添えるのは心を許していないと受け取られますので気をつけてください。
意外と忘れがちな行為として、乾杯するとき相手のグラスにぶつける位置を気にしていないことがあります。相手が目上の人でしたらそのグラスより下の方に当てて乾杯すべきでグラスの上、同じ位置では礼を欠くことになります。特に中国はこだわりますので気をつけてください。こんな作法を知らないと、せっかくのビジネスが台無しになりますし、信頼関係を築けません。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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