<Wコラム>韓国の会社事情・おもてなし2、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
<Wコラム>韓国の会社事情・おもてなし2、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
●空の星を取るように
 話をCAに戻しますが、当時は海外旅行の自由化前でしたので、外国旅行は夢のまた夢でした。女性が働ける職場も少なく、韓国でCAになることは「空の星を取るようなもの(ハヌレ ビョルタギ)」と言われました。

 女子大の名門梨花女子大学出身者で、それも競争が激しい英文科、仏文科出身が大勢を占めていました。さしずめ日本だと聖心女子大学、御茶ノ水女子大学クラスのエリートが制服を着てサービスをしているようなものです。エリートが腰を低くし、笑顔で女中のような仕事をするのは抵抗があったはずです。大金持ちの令嬢らも多くいたのでなおさらです。

 このように、当時のCAは狭き門でしたので、競争率が高く羨望の的でした。

 競争率が高いと、当然コネを使って裏口から入りたがる人が出てくるもので、そういう人ほどアピアランスや態度が悪く語学ができないのです。このような状況ですからサービスが良いわけありません。

 けれども、「おもてなし」の国日本が隣にあり、良い模範を示してくれたおかげで、「日本に習い追い付き追い越せ」の精神と、経済の発展や社会の成熟、ライバル航空会社の出現などの諸条件により、今や世界の航空サービス大賞を総なめにする「おもてなし」を多少でも提供できるようになったのですから、当時を知る者としては感慨深いものがあります。



文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)

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