このように、中国では事前の約束でも「格」の問題などでトップがいても出てこないことが多々あります。韓国側でも省長と会うことを強く望むので、いかに省長を担ぎ出すかに現地の責任者の能力が問われます。
また、省長が出るといっても突然キャンセルされることがありますので、たとえ約束を取り付けても、本社の方には「副省長との約束は取り付けてあります。省長が多忙で来られないかもしれませんが、何とかしてみます」と報告したほうが無難です。来るはずの省長が来なければ嘘をついたことになり、会長に大目玉を食らいます。
ですから、副省長と報告しておいて省長が来たら、その間必死に努力した結果、省長が出席したことになり万事めでたしめでたしです。
中国は一党独裁体制ですから常に上に気を遣いますが、その分下のほうには強圧的で権威的です。韓国はそれほどではありませんが、まだオーナー企業が大勢を占めていますので、少なからずその動向に神経を遣います。その点、日本は両国に比べ民主制度が成熟していることもあり、まだ上司がフランクで下に気を配る方ではないでしょうか。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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