日本での航空路線の就航はどの都市、県でも一様に同じ対応で可能でしたが、中国はそれぞれの省により千差万別のスタイルがあるので苦労しました。
ある古都では金銭問題で、ある裕福な省では外交儀礼で揉めましたし、風光明媚な小さな都市では外交的な付き合いがなかったせいか、感覚の違いで揉めましたが、その反面観光資源で公共施設でもある有名な洞窟で、就航パーティーを開ける特別配慮がありました。これは日本の秋芳洞でパーティーを行うようなもので、日本や韓国では考えられないことですが、韓国から来た来賓はありえない場所で音楽や料理を堪能できたのですから大喜びでした。
このように行く先々で対応が違い戸惑いましたが、よく考えれば当たり前のことで私の認識不足でした。
中国では一つの省に六、七千万の人口があるのですから、省でなく一つの国で捉えるべきで、省を県と捉えて行動した当方が見誤ったといえます。一つの省で韓国の人口(約五千万人)より多い省がたくさんありますので、単純に省イコール県と認識したのが間違いでした。
ちなみに、フランスが約六千六百万人(二〇一五年現在、以下同)、イギリスが約六千四百万人、スペインが約四千六百万人ですが、広州のある広東省は一億人を超えていますし、杭州のある浙江省が五千五百万人、三国志で有名な成都のある四川省は八千万人で、重慶市でも約三千万人います。このように、中国を考える場合は、「中国」とひとくくりで捉えたら状況を正確に把握できません。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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