ソウルでの車のスピードはもちろん、洋服やワイシャツの仕立ても日本より数倍早いのです。即日仕立てのお店を除けば、普通日本でワイシャツを作ってもらうと三週間、洋服は一か月、印鑑は一週間、めがねは二、三週間ほど掛かりますが、韓国ですとそれぞれ二、三日で出来ます。最近、日本でもスピーディーに対応する店が増えましたが、全体のスピードはまだまだ韓国に分があります。
もちろん、日本では正確で確かなものを作るためでしょうが、急いでいる人にとっては用を足しません。ですから、最近ソウルでは旅行者、特に日本のお客さんのニーズを汲んで眼鏡やワイシャツを一、二日で作る店が増えています。
何でも早ければいいとは限りません。その分だけ完成度が落ちる可能性は大です。
反面あまり間延びしたサービスもどうかと思います。
お客の要望に応える仕組みを念頭に置けば、日本でも洋服やワイシャツの納入期限は半分に短縮されるのではないでしょうか。
結婚式の招待状も日本では一か月以上前に出しますが、韓国では半月前でも十分で、約束事も十分な時間を置いて決めることは稀です。ですから、ソウルから突然三、四日前に連絡があり、東京に行くから時間を空けておけと言われると本当に困ります。一か月前に約束したことをずらさざるを得ないからです。上下関係が厳しい韓国では、相手が上の人ではなおさら断れません。日本にいる韓国人は日本のしきたりと韓国のスピードのはざまで格闘し苦し紛れの嘘をついてその場をしのぎます。
やれ家族が急病だとか、親戚の誰それが死んだとか……。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
Copyrights(C)wowkorea.jp 0