【ソウル聯合ニュース】朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領と親友の崔順実(チェ・スンシル)被告の一連の疑惑を捜査する特別検察官(特検)に朴英洙(パク・ヨンス)元ソウル高検検事長が任命されたことで朴大統領に対する本格的な捜査が始まる。前日談話を発表し、進退問題を国会の決定に委ねると表明した朴大統領も捜査に備えるものとみられる。 青瓦台(大統領府)の関係者は30日、「今後は特検の捜査をしっかりと受けることに注力する」とした上で、「特検を速かに任命したのも、そのような趣旨から」と説明した。 朴大統領は当初から時間的な制限のある検察の捜査より、特検による捜査に焦点を合わせてきており、検察による聴取要請などは拒否していたが、特検による捜査には応じるとの意思を示した。 青瓦台の鄭然国(チョン・ヨングク)報道官は会見で、「大統領は本格的な特検による捜査が始まれば積極的に協力し、特検の直接聴取にも応じ、事件の経緯について説明する予定」と話した。 これについて青瓦台の関係者は「これまで提起されてきた崔被告などの国政介入疑惑について、大統領本人も分からない部分が多く、弁護士と共にこのような内容を把握するのに時間がかかったものと承知している」とした上で、「今はある程度、事件の経緯を把握したため直接の聴取に応じるとした」と説明した。 朴大統領は検事出身で長年の付き合いがある柳栄夏(
ユ・ヨンハ)弁護士を代理人に選出しているが、さらに4~5人からなる弁護団を構成し特検の捜査に臨むもようだ。 特検に任命された朴氏の検察庁時代の後輩で、青瓦台の民政首席秘書官を務める崔在卿(チェ・ジェギョン)氏も水面下で弁護団の補佐を行うものと見られている。 検察は崔被告の控訴状で朴大統領を共犯と指摘し、職権乱用、強要、公務上の機密漏えいなどの容疑を適用した。今後、特検はこれらの容疑に加え、収賄の疑いについても本格的に捜査を進めるものとみられる。 また2014年4月16日に発生した韓国旅客船セウォル号沈没事故当日の朴大統領の「空白の7時間」についても特検が捜査する可能性もある。 これに対して朴大統領側は崔被告や側近らによる不正を知らなかったと主張し、私的な利益を追求したことがないと説明することで、収賄の疑いに対して反論するものとみられる。 ただ、特検に任命された朴氏は経験豊富で実績も多いだけに、最長120日間の捜査では激しい攻防が繰り広げられる見通しだ。
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