日本は、韓国にも中国にもことあるごとに謝罪しているのに、七十年たった今でも歴史問題や慰安婦問題を持ち出される、と不満げですが、果たしてそうでしょうか。
ご存知のように、韓国では大統領でさえも退任後、汚職などの容疑で逮捕されることがあり、またその家族の不正が問題とされるなど、過去に遡って法律を適用することまでします。不正があれば大統領でも是非を正すのが、朱子学の世界です。日本のように過去のことを「水に流す」ほど寛大ではありません。
朱子学の世界での「理」の追求は、「究極の善」とは何かを求めますので、曖昧に水に流すことができないのが中国、韓国の論理です。「究極の善」が何であるかに論説を通して命を懸ける伝統があります。刀ではなく「筆」で相手を論破する慣わしです。
昔中国や韓国では言葉や文章で論理を戦わせ、地位や政権を取り、負けた方は島流しにされたり、悲惨な状況に置かれたりしました。さしずめ「文や言葉で人を切る」です。けれども、日本では文字通り刀で人を切ります。ですから日本語には刀に関する単語がたくさんあります。
「裏切る」という言葉は韓国語にはなく「背信」と漢字語を使っています。ご存知のように「裏切る」とは前から正々堂々とではなく、後ろから襲いかかる卑怯な行為で「刀」が使われます。
ほかに「切れ味」「切り取り」「真剣」など枚挙に暇がありません。ただ「真剣」という言葉は韓国では「真剣勝負」として使われてますが、日本語が韓国語になった例です。
先にも述べましたが、「是非」という漢字も韓国と日本では使い方が違います。日本では、いろいろありますがひっくるめて「必ず」という意味で使われます。韓国では「正しい=是」か、「正しくない=非」か、を見極める意味に使います。
「シビルル カリダ」(是々非々を極める)、「シビルル コリダ」(因縁をつける)、のような使い方をします。多分に「二分法」的な発想です。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
Copyrights(C)wowkorea.jp 0