先日、大学の後輩の検事とこんなやりとりをしました。
「先輩!韓国には憲法よりも権威のある法律があるのを知っていますか?」との質問。
法の番人である検事のくせに「最高の法律である憲法の上にどんな法律があるのか」と、訝しく思いながら、
「それでどんな法律があると言うんだね?」
後輩の検事曰く、
「憲法のすぐ上の法律は〈ゴネ得法〉です」
「何それ」
「法を守らせる私どもとしても頭の痛い法です」
「法律で禁止されているのに、ゴネられると手が出ないんです」
この後輩は、「私有地に無断でバラックを立てた住民が、立ち退き命令にも関わらず不法占拠しており、てこでも動かず、このようにゴネられると法を執行することができなくなる」と、こぼしていました。
本来なら払う必要がないにも関わらず、土地の所有者が何らかの慰労金を払って立ち退いてもらうケースもあります。
ですから、ゴネたほうが得だということになります。もちろんゴネれば必ず見返りがあるわけではありませんが、往々にして駄目もとでゴネてみる強者もおります。
この「ゴネ」には世間が弱者に同情的で、法律以前に、持てる人間が持たざる人に施すのは当たり前という考えがあるからです。本当にそのような法律があるわけではありませんが、社会全般にこのような雰囲気があるので、憲法より強いという風刺として「ゴネ得法」があり、さらにその上に「国民情緒法」があります。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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