こんなケースがありました。
正式に許可をもらい建てた豪華ゴルフ場でも、時と場合によっては非難されることがあります。
いくら法律に則って建てたものでも、韓国経済が不況で庶民の生活が苦しいのに贅沢なゴルフ場を作るのはけしからん、と非難されました。なにもゴルフ場の肩を持つわけではありませんが、ゴルフ場は景気が悪くなる前に着工したもので、完成した時期がIMF経済危機と重なっただけですが、マスコミがその豪華な施設を撮影し、けしからんと煽りたてました。
また、日本の親韓派の人々が憂慮しているソウルの日本大使館前の道路に設置された「慰安婦少女像」は、道路法違反にも関わらず、国民の情緒を配慮して撤去できないのです。
近代社会は、合理的かつ法律を順守し公平に政治を行うことが善とされていますが、人間の心にある情までもスパッと割り切れるものでしょうか。今、先進諸国に蔓延している社会病理の原因は人間の情があまりにも排除されているからではないでしょうか。日本で韓国ドラマが流行っている理由の内の一つは、合理化された規則的な生活を味気なく感じた日本の皆さんが、過剰なまでに表現している韓国人の情に引かれたからではないでしょうか。
情に流されすぎてしまうのも問題ですが、あまりにも割り切り過ぎて情が入る隙がないのもどうかと思います。
人間の体が清潔すぎるとかえってバイ菌に対して抵抗力がなくなるように。
韓国の言葉に「ノム ケクシ ハミョン ボタ タラ ナンダ」(あまりきれいにすると福が逃げていく)というものがあります。嫁が嫁いできて姑に気に入られようと部屋や台所などをきれいにしたのに却っていさめられるからおもしろくありません。
特に清潔好きの日本の皆さんは理解できないでしょう。「清濁併せ呑む」という言葉のようにきれいなものも濁ったものも併せ飲まなければ抵抗力が付きませんし、強くなりません。
無菌な子どもがいきなり大気に触れ病気を起こすように。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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