「国民情緒法」に至っては、国民感情や情緒が「法」では解決できないことを覆すパワーとして発揮されました。現代だけでも李承晩独裁体制を打倒した四・一九学生革命(一九六〇年)、無能な政治体制を覆した「軍事革命」(一九六一年)、「学生民主化運動」(一九八〇年代)など、法に則っては不可能なことを国民の気持ちが一つになり大きく体制を転換させ今日に至っています。と言っても私は革命礼賛者ではありません。
国民情緒、庶民の欲求がパワーに転化したときは恐ろしい爆発力を持っている側面を理解して欲しいのです。
また、この二つの法でない「法」がまかり通る背景には法律でにっちもさっちもいかない弱者の抵抗、救済という側面があります。法律という権威に泣き寝入りせずしたたかに生きていく庶民にとっての自己主張とも言えます。
●もっと韓国を知るためのことば
クンミンジョンソポプグァ テボプ 国民情緒法とゴネ得法
実際にある法でなくユーモアと諧謔が好きな韓国人が、まことしやかに法があるがごとく会話の種にする言葉です。日本に比べ近代的でない分人間的な側面があります。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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