<Wコラム>枠にはまりたくない気質と「予定調和」、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
<Wコラム>枠にはまりたくない気質と「予定調和」、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
●長期的な戦略は苦手だが……
 サッカーブラジルワールドカップの期間中、日本と韓国では決勝トーナメントに進出できるかどうかが、関心の的になっていました。前大会の南アフリカ大会では、両国とも予選グループを突破し、南米のウルグアイとパラグアイに惜しくも負け八強入りを果たせませんでしたが、今回の下馬評では韓国よりも日本が予選を突破し、決勝トーナメントに進出する可能性が高そうでした。

 過去、日本のワールドカップ出場にはことごとく韓国がその前に立ちはだかりましたが、今や日本がアジアを代表するチームになりました。それは日本の緻密な計画と長期的な戦略によるものですが、それに比べ韓国は長い眼で見た緻密さや戦略に欠ける面があります。コツコツ積み上げる気質が築いたのが今の日本の姿です。韓国は勢いに乗ったときは強いのですが、日本よりは、長期的な計画は苦手ではないでしょうか。

 二〇〇二年のワールドカップに戻ります。日本と韓国が共催した大会で、両国とも念願のワールドカップ初勝利と決勝トーナメント進出を果たしました。目標を果たした日本はそれ以上進めませんでしたが、韓国はホームの地の利を味方につけ、何とベスト四まで進出しました。審判の一方的な判定だのといろいろと言われましたが、私は両国の成績の結果は両国民の気質の違いが明暗を分けた一面があると思います。

 日本は目標の決勝トーナメント進出を果たしたので、そこで燃え尽き、次のトルコとの対戦にトルシエ監督が叱咤激励しても、モチベーションが上がらず敗退したと何かの本で読みました。目標を立て、その達成のために綿密な計画のもと、一歩一歩積み上げ全力で達成したのですから、誰にも文句を言われる筋合いはなかったのですが……。

 しかし、ライバルであり共催国でもある韓国が準決勝まで進出したのですから、共催国としては心穏やかではありません。

 実力が格段に違っていたならまだしも、日本の方が同等かそれより上だといっても言い過ぎではないぐらいでしたからなおさらです。

 物事は相対的なもので、韓国が予選敗退していたら、日本の成績は絶賛されたに違いありません。逆の場合でも同じことです。相手に同情しながらも、内心よくやったと喜ぶのがライバル関係にある人の心の機微ではないでしょうか。


文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)

Copyrights(C)wowkorea.jp 0