当時は自動車産業が発達しておらず、車やタクシーが少なかったことや、大衆の交通手段はバスが主で、今のように地下鉄網が整備されていなかったので、タクシーを拾うのが難しい時代でした。
急ぎのときは五千ウォン札や、一万ウォン札をかざしてタクシーを止めたもんです。
日本でもバブルのときは、飲み屋街でなかなかタクシーが拾えず同じ方向での相乗りや高額の札をちらつかせタクシーを止めたこともありました……。
今は車もきれいで相乗りすることはなくなり、模範タクシーには外国語を話す運転手もたくさんいるほどアップグレードされました。親切度と安全運転ではまだ日本の運転手にかないませんが、急ぐ際の集中力は韓国のほうが助かるときがあります。
おっと、韓国では運転手を「運転手さん」と呼ぶと返事をしないことがあるので、「キサニム(技師さん)」と呼んでください。プライドが高いのは基本ですが、「今はハンドルを握ってへいこらしているが、チャンスが来たら俺だってお前らにも負けないぐらいの生活する力があるぞ」という「恨ハン」があるのをお忘れなく。親しくなれば料金もまけてくれるし、親身に道を探してくれるから、ぶっきら棒だからと敬遠したら損ですぞ!
韓国では何ごとも積極的に相手の懐に飛び込めば道が開けるものです。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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