【ソウル聯合ニュース】韓国政府が、旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年末の日本との合意に基づき、被害者支援のために設立した「和解・癒やし財団」に対する調査・検討に本格的に着手する。 鄭鉉栢(
チョン・ヒョンベク)女性家族部長官は27日、記者懇談会で朴槿恵(パク・クネ)前政権が設立した同財団について、「活動を点検し評価する点検班を発足させる」とし、「(点検作業は)8月末ごろに終わると予想するが、少し遅れるかもしれない」と述べた。 点検班は課長級が班長を務め、女性家族部内の監査・会計担当公務員7人が参加する。財団業務の主務部署である福祉支援課は含まれず、市民や学界などの外部有識者も参加しない。 点検班は日本政府が拠出した10億円の使途をはじめ、財団運営全般について検討する見通しだ。特に現金の支給対象者を選定する過程に問題がなかったか集中的に調べる方針だ。和解・癒やし財団が当事者の合意なしに支給を強行したとの疑惑が浮上するなど、現金支給の手続きを巡っては物議を醸していた。 韓国政府が慰安婦合意の点検に乗り出し、財団の金兌玄(
キム・テヒョン)理事長が辞任したことで、財団が解散の手続きを踏むのではないかとの観測も出ている。しかし、財団の解散は事実上慰安婦合意の破棄を意味することから、外交部の検証結果と合意に対する政府の立場に従って財団の先行きが決まる見通しだ。 鄭長官は今後の財団運営に関して「点検結果を見て、外交部と協力しながら進めなければならない」と説明した。定款によると、和解・癒やし財団は理事会の議決と女性家族部長官の承認を経て解散することができる。この過程で、女性家族部長官は外交部長官と協議しなければならない。 拠出金を日本に返還するべきだとの一部の主張に対しては「10億円が日本から来て、外交関係もあるため、和解・癒やし財団の今後の方向と関連し、合わせて考える問題だ」と述べた。 鄭長官は、任期中に慰安婦博物館の設置に力を入れると表明。「民族主義的観点ではなく、グローバルな視角を持たなければならない。慰安婦博物館は戦争と女性暴力を記憶する人々のメッカにならなければならない」とし、「可能であれば、女性史博物館も一緒に建てるのが私の任期中の課題だ」と述べた。 今月初め、就任後初の公務として慰安婦被害者が共同生活している施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)を訪れたことについては「(慰安婦被害者の)金福童(キム・ボクドン)ハルモニ(おばあさん)と吉元玉(キル・ウォンオク)ハルモニに会い、(被害者支援団体の)韓国挺身隊問題対策協議会の関係者と十分に意思疎通した」と伝えた。 女性家族部は、今年の慰安婦被害者の敬慕行事(8月14日)を支援することも検討している。ただ、政府レベルの公式行事は行わないとみられる。政府が来年に敬慕の日を正式に指定することを決めたためだ。懇談会に同席した女性家族部の李正心(
イ・ジョンシム)権益増進局長は「今年は政府レベルの行事を行うのは難しいとの立場だ。民間から後援などの要請があれば検討する」と述べた。
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