【ソウル聯合ニュース】核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の金正恩(
キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とトランプ米大統領による威嚇の応酬がエスカレートし、朝鮮半島情勢が一段と緊迫している。 10日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮人民軍の戦略軍司令官は9日、8日付で発表した米領グアム周辺へのミサイル発射計画について、中距離弾道ミサイル「火星12」4発を同時にグアム沖30~40キロの海上に撃ち込むことを検討していると表明した。また、この計画を8月中旬までに最終的に完成させ、金委員長に報告し、発射待機態勢で命令を待つとした。 トランプ大統領が「世界が見たこともないような炎と怒りに直面する」「米国の核兵器はかつてなく強力だ」と北朝鮮に警告を発したのに対し、挑発計画の具体化で応酬した格好だ。 北朝鮮が8月中旬までに計画を完成させると表明したのは、21日に始まる韓米合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)をけん制するためとみられる。演習の開始日が近づくほど、北朝鮮がグアム周辺へのミサイル発射計画への言及を増やし、段階的に緊張を高めようとする可能性もある。 特に、北朝鮮は「火星12」が日本の上空を通過することになるとしており、米国と日本が強い対抗措置に出ることが予想される。双方が強硬な姿勢でぶつかり合うことで、予測のつかない方向に事態が進みかねないとの懸念も出ている。 その一方で、危機の「臨界点」に向け突っ走っている現状は、逆説的に対話が近づきつつあることを示しているとの見方もある。韓国・慶南大極東問題研究所の金東葉(キム・ドンヨプ)教授は「逆説的に、米国との本ゲーム(交渉)が近づくほど、米朝とも発言が過激になり、もがこうとするようだ」と述べた。 北朝鮮は先日、カナダ首相の特使が訪朝した直後、31カ月にわたり拘束していた韓国系カナダ人牧師を病気を理由に事実上解放した。このことも、対外的に融和メッセージを投げ掛け、水面下の対話ルートが依然開かれていることを示唆したとの見方がある。 こうした中、北朝鮮核問題を話し合う6カ国協議関連国の外交的な動きが注目される。韓米日の6カ国協議首席代表による2国間、3カ国間の協議が遠からず開かれる可能性が取り沙汰されている。また、北朝鮮が核・ミサイル活動を中断し、韓米も大規模軍事演習を停止するという提案を東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の議長声明に盛り込むことに成功した中国が、米朝の仲裁に乗り出すかどうかも関心を集めている。
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