観客と記念撮影するキム・テウ、ペク・チヨン、ソン・シギョン(左から)
観客と記念撮影するキム・テウ、ペク・チヨン、ソン・シギョン(左から)
韓流ぴあ創刊11周年記念イベントの第1弾として、韓国のバラード界・OST界を代表するペク・チヨンソン・シギョンキム・テウのレジェンド3人によるスーパーヴォーカリスト・ショー「OST VOCALIST SUPER SESSIONS ペク・チヨン/ソン・シギョン/キム・テウ」が2月28日(水)、東京・中野サンプラザにて昼夜2公演開催された。

ソン・シギョン の最新ニュースまとめ

 ラインナップを見ただけでもゾクゾクするような、そうそうたる実力派メンバーが顔をそろえ、彼らのキーワードである“ヒットドラマOST”、“泣かせるバラード”、“魅力的なパーソナリティ”をステージで存分に披露。圧巻の歌声はもちろん、話術も達者な3人はトークでも会場を盛り上げ、埋め尽くしたファンを魅了した。

 長身のイケメン4人組バンド「1NATION」がオープニングアクトを飾り、夜公演の本編が幕を開けた。トップバッターは、「god」のメインボーカルであり、繊細かつ迫力あるボーカルでソロアーティストとしても圧倒的な存在感を放つキム・テウ。軽快なリズムでまさに気分がハイになるような、ドラマ「紳士の品格」のメインテーマ曲「High High」で登場すると、「立ってくださ~い!」と客席に呼び掛け、会場をノリノリの雰囲気にし、熱く楽しいオープニングを演出した。

 「こんばんは」とあいさつし、「たくさん来てくださいましたね」と大勢の観客の拍手に迎えられたキム・テウは、「OSTの一番良いところは、その曲を聴けば、ドラマのシーンが思い浮かぶということです。次の曲を聴きながら、イ・ビョンホンさんとキム・テヒさんを思い浮かべてください」と曲紹介し、「IRIS」のOST「Dreaming Dream」を熱唱。さらに、「日本の皆さんが韓国ドラマを愛し、OSTも愛してくださっているので、いつも感謝しています」と話し、「ペク・ドンス」の「Falling In Love」を切ないハスキーボイスで歌い上げた後、「ステキなドラマでした。僕もOSTを歌ったので、ドラマを見ていたんですが、ユ・スンホさんが悲しみに陥った場面で、僕の曲が流れたとき、自分がユ・スンホさんのように感じられて、すごく気分が良かったです(笑)」と振り返った。

 そして、次の曲も個人的に好きなドラマだという「個人の趣向」のOST。「バラードとアップテンポの曲、2曲のOSTに参加し、どちらも自分で歌詞を書きました。きょうはアップテンポの曲をお届けしますが、スクリーンに歌詞の字幕が出ます。歌詞を味わいながら聴いてほしいです。だからと言って、歌詞ばかり見ないでくださいね。僕も顔も見ながら(笑)。いいですか?」と会場を和ませた後、「君という翼」を披露。観客は曲に合わせて手拍子をし、軽快で楽しい雰囲気となった。

 「ドラマを制作される方が、僕の声を求めてくださるのがありがたいことです。もちろん、僕が上手くこなせる、というのもあるんですが(笑)。これからも素晴らしいドラマや映画の曲を歌って、皆さんに近づける機会が増えたらうれしいです」と話したキム・テウは「ここからは自分のオリジナルナンバーをお届けします。僕は皆さんと1対2000でコミュニケーションを取りますが、皆さんは僕と1対1でコミュニケーションしてください」とあおり、大ヒット曲「Love Rain」へ。

 観客も自然と立ち上がり、パワフルで伸びやかな歌声を会場中に響かせるキム・テウの熱いパフォーマンスに体を揺らしながら楽しんだり、マイクを向けられたときは一緒に歌ったり、会場が一体となって盛り上がった。そんなファンの大歓声に、投げキスで応えたキム・テウは「早いうちにソロコンサートもしたいです。バンド編成のライブをさせたら、僕上手いんですよ(笑)。そのときはぜひお越しください。きょうの思い出を胸の奥に刻み、いつまでも覚えていてほしいです」と最後のあいさつをし、珠玉のバラード「The words I Want to say」を大熱唱。キム・テウは圧倒的な声量の魂を震わせる歌声で会場を包み込み、心地いい余韻を残して、次につないだ。

 2人目は、言わずと知れた“バラードの女王”ペク・チヨン。育児で一時活動休止後、昨年12月より韓国全国ツアーを始動したばかりで、来日も久しぶりだが、切なくも表現力豊かな歌声、そして笑顔を絶やさず、豪快に笑う姿なども相変わらず健在で、ファンを喜ばせた。
大歓声で迎えられたペク・チヨンは、ドラマ「シークレット・ガーデン」のテーマソング「その女」と、代表曲「愛さない~サランアネ~」を2曲続けて披露。鳥肌モノの心を揺さぶるドラマチックな歌声で、観客を陶酔させた。

 「お久しぶりです。ペク・チヨンです」とあいさつし、「日本で何度か公演をしてきましたが、ステージ上で歌う歌手にもかかわらず、いつも皆さんが向けてくださる信頼のまなざしに、私が感動をもらっています」とファンの応援に感謝したペク・チヨン。「この前、特別な経験をしました。最初に歌った『その女』は男女間の恋愛の歌なんですが、あるきっかけでお母さんの曲として歌ったら、お母さんの歌になりました(笑)。1歩近づくと2歩離れていく娘を育てるお母さんたち、頑張ってください!」と自分と同じ境遇のママたちを激励した。

 そして、「次は皆さんを癒やせる曲をお届けします」とし、番組では1度も歌ったことがなく、コンサートでのみ歌ってきたという「あなたの心」をスモークに包まれた神秘的な雰囲気の中で披露した。

 次の曲は「2PM」テギョンとコラボし、話題になったダンスナンバー「私の耳にキャンディ」。「この曲はパートナーが必要です。私のパートナーはおじさんです(笑)。息子が2人いて、私と十数年一緒に働いているマネジャーです」と紹介し、「子供を産んだおばさんも、息子がいるおじさんも『私の耳にキャンディ』をセクシーにお見せできます」と自信を示し、その言葉通り、ペク・チヨンとマネジャーは息ぴったりにセクシーなダンスを披露。途中で、音が途切れるハプニングもあったが、何事もなかったかのように、楽しそうにパフォーマンスを続け、会場の熱気をさらに高めた。

 ペク・チヨンと共に、素人とは思えぬ見事なダンスを披露したマネジャーが「自分が担当する歌手のダンスぐらいは踊れないと」と言うと、「よくやったね」と労うペク・チヨン。「ハプニングもありましたが、これもライブの醍醐味ですね」と笑い飛ばす余裕を見せ、観客の大きな歓声や拍手を浴びた。
そして、ドラマ「千日の約束」のOST「ここが痛い」を熱唱した後、「きょう皆さんと会えてすごく幸せでした。きょうのことを忘れないでください」と最後の曲は「IRIS」の「忘れないで」。心に訴えかけるような歌声で、会場を感動的な雰囲気にし、ステージを後にした。

 トリを飾るのは、透き通るような甘い歌声で女性ファンを虜にし、“バラード界の皇帝”と呼ばれるソン・シギョン。「シークレット・ガーデン」のOST「君は僕の春だ」で切ない歌声を響かせ、観客の温かい拍手で迎えられたソン・シギョンは、流暢な日本語であいさつし、「キム・テウさんとペク・チヨンさんは僕の自慢のアーティストです。歌上手いですよね。大好きな人たちです。僕が最後を務めることになり、プレッシャーを感じています」と本音も。そして、「ちょっとだけ告知があります」と慣れたような進行で、告知タイムに。

 日本1stシングルの発売を記念し、リリース前の4月にショーケースツアーを開催することを伝え、「いままで行ったことのない地域にも行きますので、楽しみにしていてください。仙台とか広島とか北海道まで行くので、太りますね(笑)」と早くもおいしいものを食べる気満々のソン・シギョン。4月からEテレ「テレビでハングル講座」にレギュラー出演することも明かし、「歌手としてじゃなくて、ただの韓国人として出ます(笑)。気を遣って、発音を頑張ります」と意気込んだ。

 さらに、LINE LIVEでは、ラジオ形式で進行するレギュラー番組の放送が決定。「うれしいんですけど、まだ日本語が足りないので、最初はみっともない姿を見せることになります」と話すソン・シギョンに、客席から「ケンチャナヨ(=大丈夫だよ)」という声が飛ぶと、「僕はケンチャナじゃないんです」と返し、会場は大爆笑。ソン・シギョンは「小学生を育てるような気持ちで見てください」とファンにお願いした。

 饒舌トークはまだまだ止まらない。前日LINE LIVEの生配信が終わった後、ツイッターのフォロワー数が60人増えたとし、「きょうも1部が終わってから40人増えたんです。ありえないことです」とうれしそうなソン・シギョン。韓国ではSNSをやっていないが、日本で公式ツイッターを開設することになり始めたと明かし、「正直、つまらないと思っていたし、なぜみんなが執着しているのかと思っていたんですが、毎朝目覚めると、それからチェックしています」とすっかりハマったようで、「友達にも宣伝してください(笑)」としっかりPRした。

 そして、あるお客さんからもらったという綾小路きみまろの本を取り出し、「毒舌のツッコミばかりで、僕のファンの皆さんには使えないですよね?でも、面白いから紹介したいです」とその本に書かれたネタを使って、綾小路きみまろ風に漫談を披露。ソン・シギョンの一言一言に客席はドカンドカンと大ウケで、会場は爆笑の渦に包まれた。

 そんな雰囲気の後では、歌いづらいと話すソン・シギョンだが、曲のイントロが流れると、すっとその世界観に入り、「星から来たあなた」のOST「君のすべての瞬間」、「雲が描いた月明かり」のOST「やさしくさよなら」を感情豊かな表現力で歌い上げた。

 「やさしくさよなら」は、日本1stアルバム「DRAMA」に日本語バージョンが収録されており、日本語バージョンに慣れているから、思わず日本語の歌詞が出そうになったとし、日本語バージョンをワンフレーズ歌い、「日本語のほうが自然に聞こえます(笑)」とソン・シギョン。さらに、「DRAMA」の収録曲の中から、MISIAの「Everything」と小田和正の「さよならは 言わない」を心を込めて歌った後、昨年のツアー中に見たという小田和正が贈る恒例ライブ番組「クリスマスの約束」に出演してみたいという願望も明かした。

 本編最後の曲はデビュー曲。「そのとき僕は21歳でした」と話し始めたソン・シギョンは、綾小路きみまろ風に、「あれから18年!いまは節々が痛い中年になりましたけど、まだ心はそのときのままです。体はそのときのままではありません」と自虐ネタで最後まで笑いを取り、曲の説明をした後、「歌う瞬間だけは、21歳の男に戻って歌います」と「僕に来る道」を熱唱。アンコール曲「二人」まで、観客の耳と心を惹きつける歌声で、プレミアムコンサートを締めくくった。

 最後はステージに3人が登場。キム・テウは「すごく楽しかったです。皆さんがとてもステキな反応をしてくださったおかげで、僕のほうが力をもらい、頑張って楽しくできたと思います」と言えば、ペク・チヨンも「飛行機に乗るときから楽しみにして来たんですが、皆さんに会ったら、私の期待をはるかに超える楽しさでした」とファンに感謝。ソン・シギョンは「楽しい時間でしたし、最初にも言いましたが、僕の自慢のアーティストさんたちです。心強かったです。最高のバラード歌手です」と誇らしそうにし、豪華アーティスト3人によるステージは大盛況のうちに幕を閉じた。

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