EXO の最新ニュースまとめ
当日は春分の日でありながら、雪混りの冷たい雨空が会場に集まるファンを迎えるも、劇中の「君は僕の春(ボム)だ」というカイ演じる主人公イ・シギョンの台詞になぞらえて“MY SPRING”と題された通り、期待に胸を膨らませたファンによる暖かいムードの中、今回のスペシャルイベントの幕が上がった。
ブラックのスーツ姿でシックに決めたカイをファンの黄色い歓声が出迎える。
「こんばんは、カイです。来てくれてありがとうございます。今日は特別な日だと思います。皆さんも楽しんで、いい思い出をたくさん作って帰ってください」とあいさつし、「面白いゲームなども準備しているので、見ていて飽きないと思います」とファンへアピールした。
今回はカイにとって初めての単独イベントということで、緊張したと話すカイ。「自分1人だけなので、少しぎこちない部分もありますが、そういうところも楽しんで見てもらえればうれしいです」と続けた。
そして話題はドラマ「アンダンテ~恋する速度~」での役作りについて。「撮影の時は、共演した皆さんからも言われたのですが、僕は口数が多くて、絶え間なくおしゃべりをしていたんです。それはわざとしたところもあって、明るいキャラクターを演じるためにそういう姿を見せようとしていたんです。それから、高校生役だったので、そう見えるようにとても努力して、声のトーンなども気を付けていました。ゲームをしながら独り言を言うシーンは、YouTubeでそういう人の動画を見て研究したりしました」と堂々たる俳優としての顔をのぞかせるカイ。
「アンダンテ~恋する速度~」でカイが演じた主人公のイ・シギョンは、ゲーム好きで勉強嫌いなところがあるけれど、純粋でまっすぐな心の持ち主。そんなシギョンと自身との共通点についてカイは「僕は、ゲームはあまりやらないんです。似ているところと言えば、シギョンは寝坊ですが僕も寝坊することがあります。それから強いて言うなら、シギョンがドラマの中でダンスをするシーンがありますが、ダンスに惹かれていくところも共通点かなと思います」と、途中考え込んだりもしながら答えた。
劇中でシギョンが授業の宿題として提出した墓碑銘(墓石に刻む文章)「ぐずぐずしていたらこうなると思った」という文章から、カイ自身が「ぐずぐずしていたらこうなると思った」という経験をしたことがあるか、という質問が出ると、「僕は寝る前にYouTubeとかを見るのが好きで、例えば2時に寝ないといけないのに、寝ないでそのまま起きてYouTubeを見てしまう、とかそんな感じでしょうか?」とエピソードを紹介した。
続いては、カイが選んだドラマの名シーンをファンと共に映像で振り返るコーナー。
おばあさんからシギョンの好物である“キビ餅”を手渡されるシーンについては、「僕はキビ餅を知らなくて、どんなものか調べたんです。ドラマではおばあさんがキビ餅を作っているシーンもあったんですが、その時作ったものを食べさせてもらったんですね。実際に食べてみたら、本当にあたたかな気持ちを感じることができて、このシーンを撮影する時もうれしい気持ちで臨めたのではないかなと思います」と心あたたかなエピソードを紹介。
次に選ばれたシーンは、カイ演じるシギョンが恋をするヒロイン、ボムの生前葬に参列するための服を自室の鏡の前で合わせながら、笑顔の練習をするという切ない場面。「本当に心が悲しいシーンでした。撮影の時は自分自身も共感することができて、僕もこのような状況になったら本当に辛いだろうなと思いました。」と語るカイからは、この作品に込められた生きることへのメッセージを主役として背負う気概が深く感じられた。
涙なしには見られないような切ないシーンだけでなく、カイのチャーミングな姿を見ることができるコミカルな場面も紹介され、作品の魅力がさらに広がってきたところで、本日のゲストとしてヒロイン、キム・ボムを演じたキム・ジンギョンがステージへと招き入れられた。
「こんばんは!初めまして。私はキム・ジンギョンです。どうぞよろしくお願いします」とあいさつする姿は、ボムを演じた時よりも落ち着いたヘアカラーで大人っぽい印象だ。
カイは彼女との共演について「本当にお互いの息がひとつなのかと思うくらい息がぴったりだったので、EXOのメンバーかと思いました(笑)。とても優しくて誠実な人で、楽しく撮影ができました」と振り返ると、キム・ジンギョンも「最初は親しくなれなかったらどうしようと心配していたんですが、カイさんから最初に心の扉を開いてみんなの方に近づいてきてくれたので、共演者の皆さんも本当にやりやすかったんじゃないかと思います」とカイとの出会いを語る。
キム・ジンギョンが選んだドラマの名シーンを紹介するコーナーでは、シギョンが去ろうとするボムを引き留め、強く抱きしめるという情感あふれる場面がピックアップされ、カイは落ち着きをなくしてもぞもぞと照れ隠しの動作を見せ、ファンはそんな姿にもときめきを覚えた。
この作品に詰め込まれた、カイ演じるシギョンをとりまく感動、切なさ、笑い、そして恋のドキドキが彩る名場面が、心温まるエピソードとともにファンの心に新しい形で刻まれたことだろう。
さらにゲストとして、今作のOSTに参加している「IMFACT」のイサン、ジェオプ、テホが登場し、「オンジェンガ ウヨニ(=いつか偶然に)」というバラード曲をドラマの映像とともに歌いあげ、ドラマの世界観で会場を包み込んだ。3人の歌声が表現する切ない願いが、ファンの心に響き感動を誘う。
ゲームコーナー、演技再現コーナーでは、客席から抽選で1名ずつを選びファンをステージに呼び込んだ。ドラマで描かれた恋のときめきを追体験できる特別なイベントに、客席からも大きな歓声が巻き起こった。
そしてイベントは後半戦へ。
今回のハイライトとも言える、カイとキム・ジンギョンによるリーディング、そして「IMFACT」のイサン、ジェオプ、テホの3人によるOST曲の生歌と映像のコラボレーションステージが繰り広げられた。物語をダイジェスト映像でなぞりながら、カイとキム・ジンギョンの迫真の演技で語られるシギョンとボムの想い。喜び、胸の痛み、死という別れ、誰かを思う心。イサン、ジェオプ、そしてテホが作中に息づく人々の想いを情感あふれる歌声で描き、これだけで1つの舞台作品としてたっぷり楽しめるようなボリューム感のあるドラマの魅力が凝縮された特別な時間に、客席のファンも息をのみながらステージに見入り、その景色に魅了された。
クライマックスには、シギョンへの手紙を残して逝ったボムに答える形で、「僕が皆さんに送るテレパシーです。皆さんが僕の春(ボム)です。愛してます」と言うカイのセリフに、ファンが「ありがとう!」と声を揃えるサプライズを贈った。
イベントの最後にはハッシュタグイベントと題し、携帯電話での写真撮影OKの時間が設けられて、キュートなポージングで愛嬌をふりまくカイの姿をファンがたくさんの感動と共にカメラに収め、この日のスペシャルな思い出を刻んだ。
「今日はとても楽しかったです。撮影をしたのは1年以上前のことですが、『アンダンテ』というドラマを通してこうして皆さんに会うことができて、縁がある作品だったと思います。僕にとっても特別な作品ですので、皆さんも愛してくれたらうれしいです。今日はこの舞台の上で、演劇のように歌や映像も一緒に僕の演技を見ていただきましたが、これまでとは違う経験ができて楽しかったですし、意味のあることだったと思います」とカイが締めくくり、この日のイベントは幕となった。
「EXO」のメンバーとして、世界中にその名を轟かせているカイ。この日俳優として日本にやってきて、ステージで魅せた姿はとても謙虚で真摯で飾り気のない親しみ深い青年の姿だった。アーティスト、カイの表現力は様々な表情をもって、これからも多くの人の心を動かすのだろう。
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