モデル上がりだと思っていたが、舞踊からスタートしたのだった。商業映画の新世代俳優かと思いきや、いわゆる“お金にならない”短編映画と舞台演劇を行き来する制作者であり監督だった。寡黙かと思いきや、何でもないジョークで雰囲気を盛り上げることを知っている愉快な男だった。この男は誰なのか?俳優ユ・ジテである。

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短編映画と小劇場の舞台を制作・支援する<有無飛>を設立し、4月10日から自身が原案・制作・出演する2作目の創作劇『幽霊の家にいらっしゃい』(演出:イ・チナ/脚本:パク・スジン)を掲げてきたユ・ジテ。
彼は去る3月15日午前、中区貞洞(チュング・チョンドン)の第一火災セシール劇場で開かれた記者会見で「制作費は投資を受けずに、ほとんど自費で捻出します。商業映画に出演する俳優ですが、代案映画や小劇場の芝居で、僕自身を開発していくことにより価値があると考えています」と、演劇を制作する理由を伝えた。

<b>俳優ユ・ジテへの誤解と偏見</b>
「ほとんどの人がモデル出身だと思っているようですが、元々は舞踊をやりながらアルバイトでモデルをしていて、デビューしたんです。演劇映画科出身だからか、演劇と映画に関する好奇心は常に持っていました」
すらっとした外見から受ける先入観をいい意味で破った彼は、自身を「のろい俳優」と言い表した。
「僕は色々なことを考えているので、のろい俳優です。進行表を失くしたり、ミスが多い。だけど、“亀は意外に早く泳ぐ”という映画タイトルのように、少しずつ確実に進んでいく僕の姿が、スクリーンとステージに表れるのではないかと期待しています」とにっこり笑ってみせる。

隣の席に座っていた演出家イ・チナさんは、人間ユ・ジテの長所と短所を挙げてくれという質問に「長所は年齢に比べて成熟していることで、短所はあまりに考えることが多くて自分を虐待する傾向がある」と答えた。
これにユ・ジテは「短編映画や映画などの小劇場芝居に、私費を投資すればするほど自虐的」と答え、会場を笑わせた。

続けて「ショーマンシップが強い俳優ではないが、劇中の汚れ役は全部僕がやらなくちゃと心に決めて、芝居のタイトルを“アホダンスを踊る”に変えようとも思った。これまでの重いイメージを脱ぎ捨てて、一生懸命、笑わせてみせます」と固い決意を語った。

<b>俳優ユ・ジテの成長記と母親</b>
演劇『幽霊の家にいらっしゃい』は、某家を訪れたパッとしないテレビ制作チームが、ハンセン病にかかった娘を殺人まで犯しながら守る、崇高な母性愛の話を聞くことになるストーリーで、世知辛い現代社会で、見返りを求めない愛を再確認させてくれる。
ユ・ジテは、30年間、老人向けの病院を運営している自身の母親を考えながら原案を書いた。
「母を尊敬しています。明け方5時に起きて運動をしたあと病院に出勤し、午後7時まで働いて10時に就寝する生活を、30年も続けてきた。特別な使命感というよりは、その仕事が母に合う仕事で、それで人々の役に立てれば嬉しいと話していた。僕が思うに、本当にすごい人だけど、自分は全然すごくないと言う人」という。

幼い頃、満員電車の中で、狭い座席の隙間に自分を座らせようとした母親の姿を思い浮かべながら演劇に臨むというユ・ジテは、経済的に苦しかった幼年期には、唯一、胸の痛む思い出が多いと付け加えた。

チェ・ミンシク、コ・ドゥシム、チョ・ジェヒョン、チョ・ミンギなどトップスターたちの演劇への復帰ムードについては、「1度きりという非難よりも、復興のきっかけになればという願い」「メリル・ストリープがニューヨークで無料演劇公演をするように、全体的な疎通の場所になればいいと思う」と伝えた。

俳優ユ・ジテが原案・制作・出演の1人3役を務める演劇『幽霊の家にいらっしゃい』は、4月10日から5月27日までセシール劇場で行なわれる。

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