【ソウル聯合ニュース】韓国で旧日本軍の慰安婦被害者と遺族が日本政府に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、ソウル中央地裁で開かれた。この訴訟は2016年12月に起こされたが、日本政府は、国家は外国の裁判権に服さないとされる国際法上の「主権免除」の原則を理由に却下を求めており、出廷しなかった。 原告の一人で、慰安婦被害者の李容洙(
イ・ヨンス)さんは法廷で、「30年間、90歳を超えても全力を尽くして日本大使館前で(謝罪を求めて)叫んできた。日本は堂々と裁判に出てくるべきだ」と悔しさをあらわにした。裁判長には「真相究明と公式謝罪を訴えているのに、(被告側は)裁判にも出てこない。悔しくてやりきれない」と涙ながらに叫んだ。 日本政府は「自国の主権または安全保障を侵害すると判断する場合」に限り訴状の送達を拒否できると規定した国際条約を根拠に、たびたび訴状の受け取りを拒否。これに対し裁判所は「公示送達」の手続きを取り、提訴から約3年にしてようやく審理が始まった。公示送達とは、訴訟相手の住所が分からなかったり、相手が書類を受け取らず裁判に応じなかったりした場合に裁判所の掲示板や官報などに内容を掲載し、訴状が届いたとみなす制度。 原告の代理人は法廷で「72年前に侵害された人間としての尊厳の回復、国内法・国際法上の日本の責任を明らかにするために訴訟を起こした」としながら「(当時の)日本によって人格を否定された被害者の人権が大韓民国の憲法によって回復されることを願う」と訴えた。 裁判では日本政府の主張する「主権免除」が争点になる。主権免除とは、主権国家に対して他の国が自国の国内法を適用して民事・刑事上の責任を問うことはできないとする原則。 地裁はこの日、「国家免除(主権免除)の理論という大きな障壁に関しては、説得力のある方法を講じなければならないようだ」とした上で、しっかりと審理していくと告げた。
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