韓国映画界もコロナウイルスで大打撃=公開延期・観客数 減少・海外ロケ 難航(提供:News1)
韓国映画界もコロナウイルスで大打撃=公開延期・観客数 減少・海外ロケ 難航(提供:News1)
新型コロナウイルスの余波が映画界にも大きく広がっている。23日、韓国政府が危機警報を最高レベルの「深刻」に引き上げ、拡散遮断に総力を尽くすと明らかにした。それとともに、各種イベントが中止されるだけでなく、予定していた映画の公開日まで延期されることになった。映画館の観客数の減少も先月から続いており、長期的に見ると海外ロケも日程変更を避けられない状況で、産業の萎縮も憂慮されている。

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」のキャスト、公開日、あらすじ

◇劇場公開とイベントの延期

新型コロナウイルスの影響を最も強く受けたのは、公開間近だった映画だ。「白黒版 パラサイト 半地下の家族」、「狩りの時間」等の新作が、公開日や関連イベントを続々と延期している。

24日CJ ENMの関係者によると、「白黒版 パラサイト 半地下の家族」は当初26日から上映される予定であったが、コロナウイルスの危機警報が最高レベルの「深刻」に上げられたため、上演の延期を決定した。

「白黒版 パラサイト 半地下の家族」と同日に公開予定だった「狩りの時間」も、23日に「公開延期及び舞台挨拶、CGV Fan Deal、試写会、劇場前売り券を含む全てのイベントと上映を中止することにした」と発表した。「狩りの時間」側は「コロナウイルスの全国的な拡散で大規模なイベントは控えてほしいという政府の勧告を厳重に受け止めることにした」と明らかにした。

パク・シネとチョン・ジョンソ主演のスリラー映画「コール」も3月に公開予定であったが、配給会社のNEWは公開延期を決定した。「コール」も状況を見て、改めて公開日を設定すると見られる。

イム・ジホ シェフが主演のドキュメンタリー映画「The Wandering Chef, 2018」も3月6日公開予定であったが、公開日の延期とイベントの中止を決定した。ウォルトディズニーカンパニー・コリア配給の映画「2分の1の魔法」も公開日3月から4月に変更した。

韓国映画記者協会が主催する授賞式「今年の映画賞」もコロナウイルスの影響で開催を延期することにした。主催者側は「緊急理事会を開いて協議をした結果、授賞式を延期することが決定した。残念ではあるが、当局の方針に積極的に従っていこうと思う。コロナウイルスの影響が落ち着いてから、改めて授賞式の日にちを決めていく」と話した。

「第56回 大鐘賞映画祭」も今月はじめに授賞式の延期を発表していた。当初は25日に開催予定であったが、組織委員会が「コロナウイルスの影響で、会場に来て下さる観客の皆さんとアーティストの安全が侵されることが懸念されるため、開催を延期することにした」と伝えた。

◇海外ロケにも支障…「制作に問題がないよう努める」

海外ロケを予定していた映画にも支障がありそうだ。ファン・ジョンミンとヒョンビンが主演の映画「交渉」は来月ヨルダンでの撮影を予定していた。しかしコロナウイルス防止措置で、ヨルダンへの韓国人入国が禁止され、撮影スケジュールを変更せざるを得なくなった。ヨルダン政府は韓国人の他にも中国人、イラン人の入国も禁止している。

「交渉」の配給会社であるMEGABOX中央 株式会社プラスエムの関係者はNews1に対して「まだクランクインの日程調整もできておらず、現在協議中」とし、「制作に影響が出ないように努めていく」と明らかにした。「交渉」の現場スタッフ先発隊がヨルダンに事前調査に行ったものの、今すぐ撮影チームがヨルダンロケを強行するのは現段階では難しいと思われる。

その他にも海外ロケを進めている映画には、ハ・ジョンウとチュ・ジフン主演の「被拉」もある。3月中旬にモロッコをメインとした海外ロケが予定されていた状況だ。まだモロッコからは韓国人の入国は禁止されていないが、韓国の状況が深刻化しているため、この先禁止になる可能性もあり得る。

配給会社Show Boxの関係者はNews1に「まだクランクアップまで日にちがあるので、状況を見守っている」と話した。

またソン・ジュンギ主演の「ポゴタ」は現在コロンビアで撮影中だ。

◇観客数の減少

すでに公開された作品がコロナウイルスの被害を最も大きく受けている。映画館の観客数が減少し、損益分岐点を超えることすら困難な状況になった。19日に公開された「BEASTS CLAWING AT STRAWS」や「1917」は公開初週の週末を過ぎたが、観客動員数は50万人に届いていない。「BEASTS CLAWING AT STRAWS」は23日に6万9069人を動員したものの、総観客動員数は36万9780人だ。

上記の2作より1週早く公開された「正直な候補」と「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」は比較的いい成績を残しているが、高評価に見合わない観客動員数はコロナウイルスの影響だと考えられる。

実際に映画振興委員会が公開した2020年1月に韓国映画産業の決算報告書によると、1月の劇場観客数は1684万人を記録していて、これは昨年比でいうと7.1%減少した数値だ。売上金額も1437億ウォンを記録したが、これも昨年比で4.9%減少している。

特に旧正月に公開された「南山の部長たち」は、コロナウイルスの感染者がこの映画を観ていたという事実が報道され、大きく影響を受けた。報道直後である公開2週目の週末(1月31日~2月2日)には、観客数が前の週に比べて74.7%減少するという大打撃を受けた。公開日が同じ「ヒットマン」も63.6%観客数が減少した。

2月はコロナウイルスの影響が1月より大きくなったため、先月以上の被害が予想されている。

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