◇期日前投票率・新型コロナ 出口調査の精度に影響か
韓国放送協会と地上波3局(KBS、MBC、SBS)でつくる放送社共同予測調査委員会(KEP)は選挙当日の午前6時から午後6時まで、全国の約2300か所の投票所で投票者約60万人を対象に出口調査を実施する。
調査結果は投票が終了する午後6時、地上波3局で同時に公開される。
問題は投票率26.69%と史上最高を記録した期日前投票だ。今回の期日前投票率は2016年の前回総選挙に比べ14.50ポイント上昇した。
公職選挙法上、期日前投票日には出口調査を実施できない。期日前投票者約1174万人は出口調査の対象に含まれず、世論調査専門家らは調査の精度が低下するとの見通しを示している。
KEPは「複数の選挙を経験し、ノウハウとデータを蓄積した。最終結果は十分予測可能だ」と自信を見せた。
新型コロナウイルス感染の可能性を避けるため、投票者が回答を敬遠する懸念もある。
KEPは調査員に対しマスクと手袋の着用を義務付け、監督官が投票所5~6か所を回りながら調査員の体温を測定するなどの対応策を講じた。投票者が回答する際に使うペンは使い捨てのものを用意する。
◇無断引用には法的対応
今回の出口調査には事業費として計72億ウォン(約6億3600万円)がかかる。放送各社からは経営難が続く中、ポータルサイトや別の報道機関がリアルタイムで出口調査結果を引用報道するため、莫大な費用を使って出口調査を実施する必要はないとの声も出た。KEPの委員長は8日に開かれた記者懇談会で、「地上波3局の社長が今回の総選挙は出口調査を実施しないことで合意していた」として、「(だが)出口調査は視聴者の知る権利という公的サービスであり、選挙文化の一つの軸として位置づけられた。金銭問題で出口調査を行わないことは論外のため、(調査を)実施することにした」と明らかにした。
ただ、KEPは今回の総選挙からは調査結果の無断引用に対し、厳しく対応する方針だ。政党別の議席数は午後6時10分以降、小選挙区の当選者の予測結果は午後6時半以降に引用でき、違反する場合は法的対応を取る。
一方、ケーブルチャンネルJTBCは独自のシステムを使った当選者予測結果を午後6時に公開する。
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