国会議員会館で開票特番を視聴する共に民主党の執行部=15日、ソウル(聯合ニュース)
国会議員会館で開票特番を視聴する共に民主党の執行部=15日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】15日に実施された韓国総選挙(定数300)の地上波3局の出口調査で、進歩(革新)系与党「共に民主党」が同党など与党陣営が参加する比例政党「共に市民党」と合わせて過半数を上回る議席を獲得する「圧勝」を収める見通しだ。 出口調査通りの結果となれば、共に民主党は2016年の総選挙と17年の大統領選、18年の統一地方選に続き、今回の総選挙まで4連勝を果たすことになる。 通常、「政権審判」の色合いが強い大統領任期半ばの総選挙で与党が圧勝するのは異例といえる。 今年初めまで危機感を強めていた共に民主党の圧勝には、新型コロナウイルスへの対応が最も大きな影響を及ぼしたとみられる。感染発生初期にマスクの品薄など混乱が生じたが徐々に安定し、政府の対応が国際的にも好評を得て、政府と与党に友好的な雰囲気が醸成された。 共に民主党が総選挙の中心的なメッセージとして「新型コロナウイルスの克服」を掲げたのも功を奏した。党執行部は遊説で「政争を自粛し、協力して新型コロナウイルスを克服しよう」「新型コロナウイルスによる経済危機に効率的に対応するため、与党に安定的な議席を与えてほしい」などと訴えた。 同党の李仁栄(イ・インヨン)院内代表は出口調査発表後、記者団に対し、「われわれが頑張れば、経済危機も乗り越えられるという期待のようなものが(有権者に)あった」として、「非常時に国政を主導し、安定的に運営できるよう後押しするという心が(有権者に)あったと把握している」と述べた。 一方、保守系最大野党「未来統合党」は政府と与党への攻勢を選挙戦略の中心に置いた。新型コロナウイルスの克服が急がれる中、野党は「批判のための批判」に集中しているとの否定的なイメージを与え、与党に票が流れたとの見方もある。 選挙戦終盤、未来統合党候補が高齢者を差別する発言や修学旅行中の高校生ら約300人が犠牲になった2014年の旅客船セウォル号沈没事故の遺族を誹謗(ひぼう)中傷する発言をするなど「失言」が相次いだことも共に民主党の勝利につながったとみられる。 存在感がある第三の勢力がなく、事実上、共に民主党と未来統合党の一騎打ちになったことも背景にあったとみられる。
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