日本で拡散中の「韓国産検査キット、7~8割が不良」=フェイクニュースはどのように広まったのか?(画像提供:news1)
日本で拡散中の「韓国産検査キット、7~8割が不良」=フェイクニュースはどのように広まったのか?(画像提供:news1)
近年、世界で問題になっているフェイクニュース。嘘のニュース、虚偽報道はどのように広まるものなのか?

今、韓国産の新型コロナウィルス感染検査キットがアメリカ食品医薬品局(FDA)の緊急使用承認と共に世界的に注目を浴びている。しかし、日本のネットユーザーの間では「韓国産検査キットの7~8割が不良」と品質に対する疑問を投げかけている人が多い。

日本でのこのフェイクニュースはどこから始まっているのか?

その前の段階で広まっていた「全世界に輸出されている韓国産新型コロナウィルスの検査キットに多数の不良が確認された」、「不良検査キットが供給された韓国の保健所で不良品が見つかった」などの記事が元になっているようだ。

それでは、この記事の元になるものは何だったのか?そのルーツは韓国の報道であった。

現在、日本で拡散しているフェイクニュースの始まりは「黄色く変化した不良キット」という韓国記事だった。しかし、この記事は“検体輸送培地”に関する記事であった。

検体輸送培地とは、医療機関で専門家が検査をするため、患者から採取した検体を検査機関まで輸送したり保管したりする目的で使うものであり、感染の有無を確認する“検査キット”とは違うものである。

それではこの記事はどのような根拠だったのか?検体輸送培地の不良に関する報道は、今月10日から始まっている。韓国の食品医薬品安全処が配布した報道資料がその根拠である。

当時、食品医薬品安全処は医療機器製造業者のアサン製薬が製造・販売した検体輸送培地の一部(4月1日生産分)で変色する品質不良が発生し、業者が自主回収を進めていると発表した。

しかし、韓国メディアは食品医薬品安全処が発表した生産日以外の別の日付・生産ラインでも検体輸送培地の不良が続出したと報道し、24日と25日には韓国のテレビで放送された。

この記事は「不良検体輸送培地がさらにある」という事実を報じたものだったが、デスクのミスなのか、タイトルは「不良キットが大量摘発された」としており、誤解の原因となった。

この報道の後、日本のSNSには「中国製に続き今度は韓国製の検査キットに不良品続出」「7~8割が不良と発覚」が登場し、現在日本で広がっているということだ。

日本のネットユーザーの間では「日本には流すな」、「韓国で再陽性が出る理由が分かった」、「でたらめな検査キットのせいだ」、「韓国製は拒否しよう」、「韓国出身の妻の助けで韓国製の検査キットを大量輸入した米国の州知事にトランプ大統領が激怒したわけが分かる」などの反応を見せている。

フェイクニュースは根拠を持つ事実をねじ曲げているから、正しいニュースとの区別が難しくなる。しかし、フェイクニュースで被害や機会損失が発生する場合、その被害者はフェイクニュースを信じ込んだその人であることも皮肉である。フェイクニュースが氾濫する時代、判断能力を高める方法は正しい情報の仕入れしかないのが更なる皮肉である。

Copyrights(C)wowkorea.jp 5