本日、韓国の2大通信社「聯合ニュース」と「news1」が伝えたところによると、韓国で「ユニクロ」アプリ利用者数が、ほぼ半減したことが分かった。
韓国のデータ分析会社の調査によると、アプリの月間利用者数は昨年1月に71万人に迫る約70万9000人だった。しかし、7月に日本が対韓輸出規制を強化。翌月の8月から30万人未満に大きく減少したという。
データ分析会社によると、「不買運動の影響は継続中」とした上で、韓国進出15周年記念セールなどを行ったにも関わらず、以前ほどの回復には至らなかったと分析された。
ユニクロに関する最近の動きとしては、同じく日本の対韓輸出規制強化の影響もあり、韓国国内のユニクロが9店舗を閉鎖。
その状況の中でも、ユニクロの韓国法人である「エフアールエルコリア」が、集中豪雨被害への救援として1億ウォン(約900万円)を寄付したこともあった。
さらに今月25日、ユニクロ「釜山凡一店」がオープンした。この出店に関しては、近隣にある在来市場「釜山鎮市場」が商業圏の侵害などを訴え、ユニクロに対して出店の撤回を求めていた。これでオープンは計画より1年ほど延びた。
8月、釜山鎮市場はユニクロと折衷案に最終合意したことを明らかにした。ユニクロが店舗内に市場のPRエリアを設けることで、在来市場の活性化に貢献する役割を担い、在来市場が主催するイベント対しても一定の支援を行うことなどを盛り込んだ。
ユニクロと商人の合意について、「ユニクロ釜山凡一店の近隣にある四つの在来市場の活性化にユニクロが協力することを決定。案に合意した」と、釜山鎮市場繁栄会が明かしている。
在来市場の付近に韓国財閥系の量販店が進出する方法とはずいぶん違うやり方だ。「闘争」「対決」「実力行使」よりは「安定」「円満」「根回し」を優先する日本文化のそのものだ。
残るのは日本製品不買運動「NO JAPAN」だけ。予測はしたものの、オープンと同時に最も早く訪れた客は「NO JAPAN」デモだったことにはビックリ。韓国らしい素早さだ。しかも、色々な写真を見る限り、デモ参加者はユニクロのテーマ色の赤と白に見事にお揃いの小道具で登場する。
この1年間、韓国の「NO JAPAN」には「選択的な不買」という名分ができた。任天堂のゲーム「あつまれどうぶつの森」やソニーのゲーム機「PS5」がその対象。韓国製の代替財が存在しないから不買運動しなくても気にならないとの考え方だ。
残念ながらユニクロはこの「選択的な不買」の対象にならない。韓国にはユニクロの「エアリズム」や「ヒートテック」の代替財が存在するからだ。しかし、韓国進出のユニクロに対する判断はまだ早い。ユニクロの真の力は「エアリズム」や「ヒートテック」ではなく、消費者の需要を的確に把握し、サプライチェーンをシステム化し、合理的にな価格で消費者を魅了する「商売の王道」であるからだ。
日本が行った韓国への輸出管理の強化が、韓国国内に大きな影響を与えているのは明らかだろう。日本のサービス業が韓国から撤退を余儀なくされるなどの動きも予測される。日本の企業は韓国を諦めるべきか?
韓国マーケットには他の国ではあり得ない魅力がある。マーケットの規模は日本に比べて小さいものの、マーケットの反応は世界一だ。韓国の気質は迷わないこと。韓国の消費者は常に新しいものに熱狂し、他のマーケットで検証される時まで待つことはない。世界のグローバル企業が韓国をテストベッドとしているのも、このような韓国消費者の素早い動きが評価されているからだ。
この気質は新型コロナウイルスにより急変する世界に対する適応力でも良く分かる。まだ未知のウイルスが蔓延する中国に命をかけて入り込み、ウイルスのサンプルを手に入れてPCR検査のキットを素早く大量生産する。他国では概念しかなかった「ドライブスルー」検査を素早く実用化する。「安定」を追及するあまり、「マニュアル」に支配されている日本とは違う。
もし、ユニクロが「NO JAPAN」のハンディにも関わらず、これからも「商売の王道」で韓国消費者を魅了し続けるなら、ユニクロは間違いなく世界一であろう。この15年間のように。
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