韓国統一部、公務員の射殺事件知りながら北朝鮮へ医療物資支援承認

韓国統一部（部は省に相当）は、北朝鮮軍が韓国人公務員A氏を射殺した翌日の23日にも、北朝鮮に医療物資の支援を承認していたことが明らかになった。

国会外交統一委員会所属のチョン・ジンソク議員が29日、統一部から提出を受けた「6～9月の対北朝鮮搬出承認現況」によると、統一部は公務員A氏が失踪した21日に北朝鮮に対し、一般救護の立場から「栄養支援」を、23日には保健医療支援の立場から「医療物資支援」をそれぞれ承認した。

統一部が23日に「医療物資支援」を承認したのはA氏が北朝鮮軍に射殺された後で、A氏が射殺されたという事実は22日午後10時30分頃に青瓦台（チョンワデ、大統領府）に報告された。

ソ・フン（徐薫）国家安全保障室長らは、23日午前1時に緊急関係長官会議を招集し、この会議にはイ・イニョン統一部長官も参席した。

イ長官がA氏の銃撃事実を認識していたにもかかわらず、北朝鮮に対する物資支援を承認したというのが、チョン議員の指摘だ。

統一部はチョン議員室に提出した資料で、「搬出承認は通常的な実務手続きで、民間団体の物資搬出申請に対し南北交流協力法が定める条件を備えたと判断される場合に、持続的に承認してきた」と述べた。

統一部はまた、「24日に軍当局の発表で韓国人の銃撃事実が公開された後、最近の承認現況及び進行状況を点検し、9月中に承認された団体に対し物資の搬出手続きを中断することをすぐに報告しており、現在民間団体の物資搬出は行われていない」と説明した。