韓国との外交で既に強硬姿勢が見られる菅首相。その姿勢は韓国に対してだけでなく、日本の学者に対しても変わらないようだ。

 高い支持率の中で菅首相が就任して数週間が経ったが、新たな問題が浮上した。「日本学術会議」(SCJ)で新たな火種が浮上したのだ。

 日本学術会議は「学者の国会」とも呼ばれるもので、政策提言や公開シンポジウムなどを頻繁に行ってきた。

 菅首相は9月、この日本学術会議の新しい会員を任命することとなった。その際に日本学術会議側が推薦した105人中、6人の任命を拒否して99人だけを任命したのだ。

 菅総理は慣例として守られてきた推薦通りの任命を何故拒んだのか?6人の学者はなぜ任命を拒否されたのだろうか?まずは任命が拒否された6人の学者のリストから。

●京都大学大学院 芦名定道教授
●東京大学 宇野重規教授
●早稲田大学 岡田正則教授
●慈恵会医大 小澤隆一教授
●東京大学大学院 加藤陽子教授
●立命館大学大学院 松宮孝明教授

 この学者らは、安倍晋三前首相の政策を批判していたことがあるため、任命が拒否されたとの予測が可能な面々である。安倍路線を継承すると宣言していた菅首相からすれば、嫌な存在なのは明らかだ。

 6人の任命が拒否されると、日本の一部マスコミは「学問の自由を抑圧している」と批判。日本学術会議も10月2日に緊急総会を開催した。

 会員からは「非常に遺憾」、「首相の任命拒否は違法ではないか」、「過去の答弁と違う」などと強く反発する発言が出ていた。翌日の3日は、日本学術会議の名義で菅首相に任命拒否理由の説明を要求し、6人を任命するよう要請書を提出した。

 6人のうち、岡田教授は日本の野党が主催したセミナーに出席し、「(日本政府が)聞きたい意見しか聞かないよと(いうなら)、今後の日本にとって大変、大きな禍根を残すことになるのではないか」と疑問を呈した。

 しかし、「法に基づいて適切に対応した結果だ」と話した菅首相は強硬な姿勢を取り続けるようだ。

 日本学術会議は日本の学界を代表する組織。1949年、戦争に協力してしまった学者たちの反省から始まった組織である。87万人の学者を代表する役割を果たしている。会員は6年の任期。医学・経済・法律など、分野ごとに成果を上げている専門家210人で構成される。

 1983年には当時の中曽根首相が国会で日本学術会議の推薦人を拒否しない趣旨の回答をした。その回答を受け、慣例的に日本学術会議の推薦人をそのまま任命してきたという歴史がある。

 「保守」には過去を引き継ごうとする本能があり、「革新」には過去を塗り替えようとする本能がある。1965年や2015年の日韓合意を塗り替えようとする今の韓国政権は「革新」として説明可能であるが、1949年や1983年の過去を引き継ごうとしない菅首相は、「保守」が支配する日本社会の中で意外と「革新」に近いかもしれない。

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