イ・ヨン の最新ニュースまとめ
彼が告訴された事件について、韓国検察は「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」の前身である「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」に対する侮辱容疑は嫌疑なしの不起訴処分とした。しかし、元慰安婦女性らに対する名誉毀損の罪で「在宅起訴」したと発表した。
数年前、慰安婦の実情を述べた研究書「帝国の慰安婦」出版を巡って、著者のパク・ユハ(朴裕河)教授が民事・刑事の両面で裁判となった事件もあった。その際、朴教授も正義連・挺対協とその活動家らを批判していた為、問題や対立が深刻化した側面が有った。
何故なら日本の”不正義”を国内外で暴いて非難を繰り広げる、謂わば韓国の”ヒーロー”・”ヒロイン”であった正義連・挺対協とその活動家らを批判したと言う点が世論の指弾を受けたからだ。
それと比べると昨今、補助金や寄付金の横領疑惑で不信の目が注がれている、正義連・挺対協とその運営者であったユン・ミヒャン(尹美香)氏らへの侮辱容疑は嫌疑なしとした点では、一歩改善したとも言える。一方、尹美香氏は、今年4月の韓国総選挙で、与党により比例代表の国会議員となった。
またどの元慰安婦に対する名誉毀損なのかがハッキリしないので断言は難しいものの、柳元教授の法廷闘争の方針や姿勢如何ではあるが、その女性が慰安婦となった過程や原因・背景(特に家庭環境)が明らかにされるし、争点になり得ると言った点において、注目に値すると考える。
なお朴教授の場合、言論や研究の自由が争点として注目され集中していたように思われた。故に各々が慰安婦となった過程や原因・背景(特に家庭環境)が争点とならず、また元慰安婦らの発言の経過(就中、発言内容の不一致)についても殆ど争点とならなかったと記憶する。
朴教授と柳教授の裁判において大きな違いは何と言っても”支持者の質”にあると考える。朴教授の場合、韓国国内の言論思想また出版の自由を重んじる”リベラル派”法曹を中心としていた。また日本でも左派・進歩・革新派で慰安婦問題について実に同情的な人々が支援に立ち上がっていた。元慰安婦らへの支援事業や「アジア女性基金」等にも携わったような支持者だった。
ところが柳教授の場合では、韓国国内の右派、特に日韓両国のベストセラー「反日種族主義」でお馴染みのイ・ヨンフン(李栄薫)氏ら”ニューライト系”の研究者・識者が中心に支援に立ち上がっている。そして何故か朴教授を支援した日本の左派・進歩・革新派系の研究者・識者・活動家はダンマリを決め込んでいるかのように見受けられる。
以前、別の記事で、韓国と日本の左派・進歩・革新派は協力して活動して、自身らの理想を追求している、合目的的でプロフェッショナルな側面があると指摘した事がある。但し、その内容は”同床異夢”な部分も多いのだろうと思われる。
あえて言えば、日本の左派・進歩・革新派にとって慰安婦問題とは、自身らの理想(日本のあるべき政策や姿勢、またフェミニズム等)と被る部分も多々ある事から支援や同調したようだ。しかし、その韓国国内の支援団体の実態を見て、例えば下村満子氏や故大沼保昭氏らが度々指摘した「過激な民族主義」や虚偽、反日を飯の種にしている姿勢が嫌悪感を買ったので、同じ左派・進歩・革新派の仲間・同志として朴教授の裁判では支援を買って出たと思われる。
ところが柳教授の場合では、如何見ても反共的(反北・反中的)な思想、自由民主主義的、経済発展志向、産業化・近代化における日本の役割を肯定と言った彼の理念や姿勢があった。日本の左派・進歩・革新派系にとって仲間・同志と看做す要素が無い為、ダンマリを決め込んでいるのではないかとの疑惑がある。
もし、日本や韓国の左派・進歩・革新派が、真に言論思想また出版の自由を重んじるリベラルな理想を共有し、刑事裁判にまで発展してしまったこの事件に対して、「罪刑法定主義」と厳格な物証検証に基づいた司法(慰安婦になった経緯における日本国家の強制性に関する厳密な検証と立証の必要性/疑わしきは被告の有利と言う原則)を重んじるのであれば、今からでも朴教授同様の支援を柳教授に乗り出すべきではないか。
韓国にも日本にもその他の社会にも、各々の社会を基準とした革新系と保守系が存在する。左派でも右派でも、その行動の基準は一貫する必要がある。今、韓国で自嘲としても言われている「ネロナムブル(自ロ他不:自分がやればロマンス、他人がやれば不倫)」式のダブルスタンダードは既に日韓関係を蝕んでいる。理念・理想を道具化・手段化した活動は、単なる左右間の「党争」「権力・主導権争い」に過ぎないのだろう。
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