ロイター通信によると、アストラゼネカのワクチン研究開発を総括するジェンナー研究所のエイドリアン・ヒル所長は9日(現地時間)、「FDAが臨床試験が終わるのを待つなら、来年中頃(the middle of next year)にならなければ米国でワクチンを購入することはできないだろう」と明らかにした。
米国NBCニュースの公式ツイッターに掲載された内容をみると、ヒル研究所長は「FDAが来年1月に入手できるすべての資料を含め、このワクチンに関する資料をみてほしい」とし、迅速な承認を促した。
また、「効率性が高いこのワクチンの価値を大規模に利用し簡単に配布するには、非常に遅すぎる」とFDAを間接的に批判した。
ヒル研究所長の発言は、前日にニューヨークタイムズ(NYT)が「アストラゼネカのワクチンがFDAの信頼を失っている」とし、年内の承認が不可能だと報道したことを受けて出された。
アストラゼネカの米国臨床はFDAが要求する参加者(3万人)の半分程度のみ募集した状態だ。臨床試験の参加者2人に現れた神経学的症状がワクチンと無関係であるとの証拠をFDAに提出することができず、10月末まで7週間の臨床試験が中断されたためだ。
先月23日に発表されたアストラゼネカの臨床3相の結果も問題になった。当時、会社側はワクチンの平均予防効果が70%だったと発表したが、後になって90%の予防効果を示した低用量の投薬方式が研究陣の失敗だったという点を公開した。
ウイルス抗原遺伝子を人体に害を及ぼさない別のウイルスに入れ投与する方式のアストラゼネカのワクチンは、一般の冷蔵庫の温度で保管が可能で、1回分4ドル(約417円)と安価であることから注目されてきた。
アストラゼネカのワクチンは韓国政府が購入しようとしているワクチン4種のうち唯一予め契約が完了したワクチンでもある。許可を得るためには食品医薬品安全処から承認審査も受けなければならないが、現在、非臨床試験の資料が事前検討されている。
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