(画像提供:wowkorea)
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韓国の文在寅大統領がクリスマスの休日であった先月、またも謝罪した。検察改革過程だけで既に三回目の国民への謝罪だ。

 混乱を引き起こしたことが謝罪の主たる理由なのだが、またも混乱が繰り返された。謝罪の誠実ささえも疑われる状況だ。

 文大統領は先月、裁判所が尹錫悦検察総長への懲戒に効力中断決定を下したのに対して、「裁判所の決定を尊重する」と言い、「結果的に国民に対して不快感と混乱を招いたことに対して、人事権者として謝罪申し上げます」と言った。

 去る2019年10月、「タマネギ男」チョ・グク(曹国)前法務長官が辞意を表明した時、「恐縮する」と明らかにした事から始まり、一年二か月間で文大統領は三回も同じ事案で国民の前に頭を下げた。

 文大統領の2019年の謝罪は一見すると誠実さが強かった。チョ・グク長官の支持者が集まった瑞草洞の集会。逆にチョ・グク長官の更迭を要求する光化門の集会。国論が分裂された状況をおいて、「結果的に国民の間に多くの対立を引き起こした点について、とても恐縮している」と明らかにした文大統領だった。

 一か月後の11月に開かれた「国民との対話」でも「もう一度謝罪申し上げる」と続けざまに謙った。この後、法務部(法務省に該当)と検察が苦も無く改革を遂げていたならば、文大統領の謝罪は非難の拡散を収拾した最善の政治的カードとなったのであろう。

 しかし一年二か月後、対立触発の対象はチョ前長官からチュ・ミエ(秋美愛)法務長官に交代したのみで、文大統領は再び「混乱している政局が国民にご心配をかけており、大統領としてとても申し訳ない気持ち」だと繰り返し謝罪した。

 結局これさえも最後の謝罪となりえなかった。「民主主義と改革のための最後の痛みになるよう心から願う」といった文大統領の願いはチョ前長官やチュ長官への捜査を強行してきたユン・ソクヨル(尹錫悦)総長への懲戒効力中断で水の泡となった。皆が温もりを共にしなければならないクリスマスに、文大統領は再び「クリスマス謝罪」に乗り出さなければならなかった。

 西洋に「一度騙されたら騙した人が恥じ入らねばならず、二度騙されたら自分が恥じ入らねばならず、三度騙されたら両者が恥じ入らねばならない」という金言がある。モスクワで工作活動をしていたCIAは所謂「モスクワルール」に「一度目は偶然、二度目は偶然の一致、三度目は工作」という心得を置いてこれを警戒した。

 問題は文在寅大統領の三度目の謝罪にも「混乱している政局」はこれからも続いていく公算が大きいという点だ。三度の謝罪の間に、曹前長官は訴訟に巻き込まれ、秋長官の最後の仕事となる可能性が高いと見える尹総長に対する懲戒カードも無為に終わった。

 新たな法務長官は四度目の謝罪の種となってはならないはずだ。韓国で起きている混乱は米中対立の時代、日本の安全保障にも影を落としているからである。

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