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リハーサル現場で、芸術監督を務める世宗大学のチョン・ウンスク教授に会った。舞台装飾や衣装の準備に余念のない団員、舞台装置や設備を再度確認しているスタッフの間を走り回り、最高の舞台を作るために細心の準備を行っていたチョン教授は、しばし汗を拭きインタビューに応じた。
以下は一問一答。
―国立オペラ団の日本公演を企画した趣旨は?
「国立オペラ団であっても海外公演自体が難しく、最も近い日本で上演することさえもたやすくありません。本格的なグランドオペラは今回が初めてである上、韓国の創作オペラを紹介するという点で大きな意味があります。欧州の劇場では韓国出身のオペラ歌手がいない所がないくらい、韓国のオペラ歌手は世界レベルに達しています。こんな時代なので、韓国のオペラを広くアピールする必要があると思います。昨年のドイツ公演では観客の98%が現地人で、涙を流してくれるくらい大きな反応を得ました。日本公演は韓国創作オペラのまた違った可能性を確認する絶好のチャンスだと思います」
―具体的にはどういう意味が?
「このオペラは劇作家・呉泳鎮(オ・ヨンジン)の喜劇『孟進士宅慶事』を原作とし、音楽やステージに韓国的な要素を取り入れて演出したもので、海外市場をねらって企画した作品です。日本公演は国立オペラ団と日韓芸術文化交流会、産経新聞が共同で主催し、韓国が制作と出演者を、日本が舞台技術とオーケストラをそれぞれ担当しました。そんな中、舞台技術や制作に関わる日本人スタッフの精神や姿勢に大きく感銘を受けました。われわれは国立オペラ団としては唯一専用劇場がなく、舞台技術者の養成が難しいのが現状ですが、舞台裏で活躍する日本人スタッフの専門性や正確さ、徹底した仕事振りを学ぶ必要があります。オペラを通じた文化交流だけでなく、オペラ制作の技術や経験も積極的に受け入れ、習得すべきだと思います」
―今公演の特徴や見所は。
「これまでのオペラは外国の演出家を招いていましたが、『ソヒャンの結婚』は演劇演出家のヤン・ジョンウン氏が担当し、初めて大作オペラを見事に成功させました。韓国の演出も世界に誇れるレベルに達していると言えます。このオペラは韓国の伝統的な結婚制度を扱ったものですが、最近の流行を取り入れ現代風にアレンジしました。場面の切り替わりが早く、劇の流れを止めない範囲で視覚的にも満足できるようにしました。オペラ歌手の動きもできる限り少なくし、音楽本来のメッセージが一層際立つように配慮しています」
―今後の計画は。
「『ソヒャンの結婚』の完成度を高め、韓国を代表するオペラに育てます。在外韓国人のための海外公演ではなく、現地の人びとから感動と拍手を受けられるような作品にしていくつもりです。公演では、指揮者のチョン・チヨン、ソプラノのキム・セア、パク・チヒョン、テノールのイ・ヨンファ、バリトンのカン・ギウらが力強く幅広い韓国声楽の水準を遺憾なく発揮するでしょう」
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