文大統領 2021新年記者会見 「慰安婦合意は政府間の公式合意である」と初めて言及=韓国報道(画像提供:wowkorea)
文大統領 2021新年記者会見 「慰安婦合意は政府間の公式合意である」と初めて言及=韓国報道(画像提供:wowkorea)
韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が18日、徴用工訴訟問題など日韓間の懸案について「被害者の同意を得た外交的解決策」を強調した。被害者中心主義を強調しながらも、日韓関係正常化の意志を示したという評価だ。

文大統領はこの日午前、大統領府春秋館で開かれた‘2021新年記者会見’で徴用工訴訟問題について「強制執行方式で(日本企業の資産が)現金化されたり、判決が実行される方式は、日韓両国の関係に望ましくない」とし「そのような段階になる前に、両国間の外交的解決策を見つけることが優先」と述べた。

一方で文大統領は「その外交的解決策は、原告らが同意できなければならない」とし「原告らが同意できる方法を両国政府が会議し、韓国が最大限説得する。こうした方法で問題を着々と解決していけると信じている」と付け加えた。

カン・チャンイル新任駐日大使も前日、外交部担当記者団との懇談会で、「政府は政府で、司法府は司法府」とし「実際に差し押さえまで行くには時間が十分あるため、差し押さえという最悪な状況に陥らないためには、両国が知恵を集めなければならない」と強調していた。

カン大使は強制徴用工賠償問題の解決策について「互いに名分と原則を守りながら解決できる方法がたくさんあると思う」とし「私が把握しただけでも12の方法がある」と述べた。

日本企業に対する資産現金化措置は、事実上、日韓関係の‘レッドライン’と考えられている。韓国の元徴用工らは、2018年10月に出された韓国最高裁の強制徴用被害者賠償判決を根拠に、日本企業の資産売却手続きを進めている。 

日本は、資産現金化措置が非常に深刻な状況を招きかねないと何度も警告してきた。最近では、‘資産現金化阻止’を菅義偉首相の訪韓条件として掲げるような姿も見せた。 

文大統領がこの日、「資産現金化が日韓両国関係に望ましくない」と直接言及したのは、対日融和メッセージとみられる。ただし、原告らの同意を前提することで、被害者権利の実現という韓国政府の基本原則は堅持する態度を示した。

特に文大統領はこの日、「両国がいくつかのレベルの対話と努力をしている中、慰安婦判決の問題が加わり、正直少し困惑したのは事実」とし「韓国政府は、2015年の慰安婦合意が両国政府間公式合意だったという事実を認める」とも述べた。

文大統領が慰安婦合意は政府間の公式合意であることを直接言及したのは今回が初めてである。日本政府の元慰安婦賠償責任を認めた今回の判決が、慰安婦合意を破棄したと解釈されることを防ぐという意図と見られる。

韓国政府は、2015年の慰安婦合意について、被害者中心のアプローチが欠けており、日本軍慰元安婦問題の真の解決にならないとしながらも、政府間ですでに結ばれた公式合意であるだけに、これを破棄したり再交渉は要求しないという立場だ。

文大統領は「(日韓関係で)過去の歴史は過去の歴史であり、日韓関係が未来志向的に発展していくのはそのまま進めるべきであり、事案別に分離して互いに解決策を見つける必要がある」と述べた。韓国政府が日韓関係で全面に押し出してきた‘ツートラック・アプローチ’を改めて強調した。

ヤン・ギホ聖公会大学教授はこの日の文統領の言及について「日本との関係で、柔軟性を見せながら、外交的な対話の可能性を開いた」と評価し、「対日関係改善の意志は明らかである」とした。

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