ハンナラ党は4日、朝鮮半島非核化と南北経済協力活性化、南北自由往来、北朝鮮放送・新聞の全面受け入れ、北朝鮮極貧層に対するコメ無償支援などを骨子とした、新対北朝鮮政策「朝鮮半島平和ビジョン」を発表した。
 対北朝鮮政策基礎修正作業を主導した鄭亨根(チョン・ヒョングン)最高委員が同日、国会議員・党協議委員長連席会議で公開した。これまでハンナラ党は北朝鮮問題を処理する過程で「先安保、後交流協力」を強調するあまり、北東アジア脱冷戦の流れを一部見過ごすなど、現実的な対応力が劣っていたと指摘した上で、積極的で柔軟な新政策は、朝鮮半島平和統一に向けた「韓民族共同体」の建設を目標とするものだと説明した。右派政党を掲げてきたハンナラ党としてはかなり急進的な内容となっていおり、党内保守派議員らの反発とともに、党のあり方に関する論議も起こりそうだ。

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 朝鮮半島平和ビジョンは、▼北朝鮮核不容認を通じた朝鮮半島非核化▼朝鮮半島平和体制の定着と統一基盤の構築▼北朝鮮の改革・開放を通じた南北の相生共栄▼北朝鮮の自立経済基盤の構築▼北東アジア平和繁栄の土台構築▼社会文化交流による民族同質性の回復▼北朝鮮人権の改善と人道的懸案の積極解決――の7つの目標を掲げている。さらに、非核平和体制の定着、経済共同体の形成、通行・通信協力体制基盤の構築、人道的協力と支援、人権共同体の実現、の5つを重点課題として提示した。

 非核平和体制の定着に関しては、非核化のため必要であれば南北首脳会談を開催し、「南北核統制共同委員会」を再稼動させ、南北と米中の4カ国による終戦宣言の受け入れを積極的に検討するとしている点が注目される。また、朝鮮半島緊張緩和時の平和協定締結の推進、非核化の進展状況に応じた米朝・日朝間関係正常化の支援、南北首相級会談の定例化、軍縮論議に向けた南北間の軍事的信頼構築、21世紀韓米新安保同盟宣言などを推進するとしている。

 経済共同体の形成では、北朝鮮核廃棄を前提に「北朝鮮総合復興計画」を実行するとしている。具体的な案として、平壌~ソウル経済代表部の設置、年3万人規模の北朝鮮産業研修生の導入、ソウル~新義州の新京義高速道路建設支援、金浦~順安南北提起航空路の開設、漢江~礼成江・臨津江の航路開設、南北自由貿易協定(FTA)の推進などを挙げた。このほか、開城工業団地など老朽化した北朝鮮産業団地に対する現代化事業支援、対北朝鮮送電の制限的推進、経済特区・対北朝鮮特区・観光特区の造成についても検討するとしている。

 通行・通信協力体制基盤構築については、1992年の南北基本合意書に基づく人的交流・協力を通じ、南北自由往来を段階的に実現し、テレビや新聞などメディア市場を開放する。韓国側がまず北朝鮮メディアを全面的に受け入れるほか、開城工業団地と金剛山でのインターネッを開通など南北間での有無線通信開通も積極的に検討する方針だ。

 人道的協力支援案では、300万人の北朝鮮貧困層に対する年間15万トンのコメ無償支援、妊婦や乳幼児、子ども、老人などへの粉乳・食糧・栄養剤の無償支援などを挙げたほか、医療陣支援、保健・防疫・感染症に関する南北共同機構の構成案も含まれている。人権共同体実現については、分断第1世代の相互故郷訪問の推進、韓国軍捕虜・拉致被害者帰国時の現金・現物提供、北朝鮮人権侵害記録保存所の設置、北朝鮮支援と連携した政治犯収容所の解除などを盛り込んだ。

 このほかハンナラ党は、大量脱北に備えた特別対策や、北朝鮮の急変事態に備えた非常対策も別途で策定する方針だ。


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