(画像提供:wowkorea)
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日本の有名誌「文芸春秋」が「韓国が仕掛ける”歴史戦”」の記事を公開した。

イ・ヨン の最新ニュースまとめ

元慰安婦イ・ヨンス(李容洙)氏が先月、ソウルで記者会見を開き「(日韓政府は)国際司法裁判所(ICJ)で慰安婦問題に対する判断を受けよう」と公言した。これに対して文芸春秋は「韓国が拡散してきた慰安婦の捏造の歴史を全否定するには、有無を言わせない歴史的事実を堂々と主張する必要がある」とし、「日本政府は証拠を揃えてICJに付託する準備を始めるべき」としている。

李氏は「元慰安婦問題ICJ回付推進委員会」の一員として、「我が政府(韓国)が全面に立って、国際法により”日本の罪”を明らかにしてほしい」とも発言した。

李氏は韓国元慰安婦の”代表格”である。米国の議会では号泣して慰安婦経験を証言し「慰安婦=性奴隷」と主張した。この時の”活躍”は韓国で「I CAN SPEAK」と言う題名で映画化された。

米国のトランプ前大統領が韓国を訪問した時、彼女は晩餐会でトランプ氏に抱きつき、「独島エビ」と共に日本でも大々的に報道された。

昨年は、「挺対協」(韓国挺身隊問題対策協議会)の後身である「正義連」(日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶連帯)活動を通じて”北朝鮮スパイ容疑者の妻”から”執権与党の国会議員”にまで上り詰めたユン・ミヒャン(尹美香)氏を「慰安婦を利用した」として告発し、大騒動となった。(因みに尹氏の夫は左派政権の成立後、再審を請求し、スパイ容疑の服役は国家賠償された。)

先月、米国ハーバード大学ロースクールのラムザイヤ―教授が「慰安婦=売春婦」とする論文には猛反発、「日本の罪を明らかにする」とし、ハーバード大学のオンライン・セミナーにも出席した。

あまりにも精力的で全方位的な活躍を見せているため、「大きくなったら私もハルモニー(お婆さん)のような慰安婦になりたい」が漫画の素材になったこともある。

日本では李氏の今までの証言に矛盾がある事が注目されたりする。

「国民服を着た日本人男から、ワンピースと革靴をもらってうれしくてついて行った」との初期証言と「日本軍服を着た男らが家にやってきて、何かとがったものを背中に突きつけられ船に乗せられて行った」の後の証言が矛盾しているとのこと。「強制連行」され、「性奴隷」になったという時期やその時の年齢も矛盾したりすることで、日本では信ぴょう性が疑われている。

彼女の顔は「反日」だけではない。

1998年には、戦死した日本軍人と54年ぶりの「霊魂結婚式」(または「慰霊祭」)を行ったと報道された。日本軍人と恋に落ちていたとの事。台湾で戦死した「神風特攻隊」のある軍人がそのお相手。その日本軍人からは戦没の前日、「君(李氏)が祖国(朝鮮半島)に無事に戻れるよう、死んで君を守ってあげる」と言われていたそうだ。

これは、後ほど韓国で慰安婦と日本軍を「同志的な関係」と著述し、刑事裁判の受ける沙汰となったパク・ユハ(朴裕河)教授の研究を裏付ける根拠にもなっていた。結果的には「親日」になった訳だ。

また、ソウルの日本大使館の前で、30年近く続いてきた反日デモ「水曜集会」に対しては、一時期は熱心に参加していたものの、昨年には「学生たちが尊いお金と時間を使っているのに、集会は(日本に対する)憎悪を教えている」や「学生たちに良い影響を与えない集会は無くすべき」との発言もしている。

なかなか複雑な人物である李氏は「(日韓両国が)責任をもって国際裁判所(ICJ)で完全な解決をし、両国間は互いに憎み合わず、親しくなるべきではないか?」と言ったり、「いつまで このようにいがみ合っているのか」と言い、「(ICJで)判決を受けて完全な解決をし、仲良くしなければならない」と語っている。

しかし、韓国政府は文芸春秋の表現とおり、「右往左往の状態」である。他の生存慰安婦たちの意見を慎重に検討すると言っていた韓国の外交部(外務省に相当)は、他の元慰安婦たちはICJ提訴(付託)に否定的だとしている。

結局、これを理由にし、韓国政府がICJ付託を拒めば、慰安婦問題は今までのとおり、結論もなく過去30年間の状態に戻るだけだ。日韓は果ての無い“歴史戦争”を続け、北朝鮮やその背後の国々には反射利益が生じ、日米韓の「三角同盟」が崩壊するだけとなる。

韓国も日本も、そして米国さえも北朝鮮の核兵器に対して安全な状態ではない。韓国の被害意識や度重なる謝罪・賠償要求に対する日本の疲労感も理解できなくないが、それが3国の安全保障や繁栄より重要なものではない。そのような”相互実益”のため、2015年の日韓協議も妥結していた。

過去の<W解説>でも説明したことがあるが、ICJ裁判の付託内容が「賠償」ならば、日本政府としては「主権免除」や2015年の「慰安婦問題日韓合意」、1965の「日韓国交正常化条約」を根拠に、勝つ可能性が高い。但し、その過程で「女性人権」を重んじる世界の流れにより「傷だらけの勝訴」になる可能性もある。

しかし、今回、韓国政府が李氏の主張するICJ付託案を拒む場合、日本政府はどうすべきなのか?今までの前例だと、韓国政府が動かない限り、日本政府は動きそうもない。だが、これで良いのか?「解決済み」の問題だとして、韓国が「ICJ付託」を言い出さない限り、「解決済みの事案」「実益がない」として李氏の願いを無かったことにするのか?

この問題の本質は”10億云々”の金銭の問題ではない。そして、少女像が世界中に増えていくのは“現在進行形”だ。

日本に対しては「名誉の問題」である。日本政府はこの問題を“結果的な放置”状態にしてはいけない。韓国政府が李氏の付託を拒んだとしても、逆に日本政府が進めるべき事案だ。

“代表格”李氏の“被害者としての願い”なので日本が積極的に“日本の名誉回復”を訴えた場合、韓国政府は拒み難い。太平洋戦争で家族と社会と祖国のために犠牲となった日本軍人の名誉を「性奴隷説」で汚してはいけない。その軍人の中には日本を祖国だと信じていた朝鮮半島出身の青年らもたくさん含まれている。

李氏に対しても「名誉の問題」である。李氏はICJの裁判で今までの証言の変遷など「疑惑」に対して説明し、「売春婦説」の不名誉を回復すべきである。「赤いワンピースと革靴」に惹かれて自発的に慰安婦になったのか、「日本の官憲」関与で強制連行・拉致されたのか、ICJの場で客観的にハッキリしてもらうべきである。

韓国政府も「賠償」より「名誉回復」を願う李氏の願いに応えるべきだ。そして、ICJ付託に反対する元慰安婦は除外し、ICJ付託を願っている元慰安婦が李氏1人だけだとしても、韓国政府は付託を推進すべきである。それが今まで韓国政府が主張してきた”被害者中心主義”である。

米国ハーバード大学ラムザイヤー教授の学問的な接近で起きているICJ付託論争。韓国政府も日本政府も李氏も、このチャンスを逃してはいけない。今回のICJ付託で、終わりそうもない「歴史戦」を終わらせ、日韓両国も、李氏個人も「相互実益」を得てほしい。

李氏が「挺対協」のユン・ミヒャン氏に電話をかけ「私が(慰安婦)被害者ではなく、私の友達が…」と話してからほぼ30年の歳月が流れた。皆の名誉回復のために、30年ぶりに訪れたチャンスである。これ以上は待てる時間の余裕はない。

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