1つ目は映画版「鬼滅の刃:無限列車編」が韓国で100万観客を動員したこと。今年、韓国で上映された全ての映画の中、2番目に100万観客を動員した。
2つ目は、「ネットフリックス(Netflix)」で配信中の「鬼滅の刃」が韓国では「旭日旗の騒動」となっていること。
まず、1つ目の映画版のこと。「鬼滅の刃:無限列車編」は6日、累積観客数101万5616人を記録した。新型コロナ禍の中の100万人なら、普段なら1000万人を動員したはずだと言われている。
2020年にはコロナ禍の影響で、1000万人の観客動員映画は皆無。2019年は、「アベンジャーズ:エンドゲーム」、「アラジン」、「パラサイト~半地下の家族」などが1000万人動員映画だった。
「観客動員数1000万人」とは何を意味するのか?韓国の人口が5000万人ほどであることを考えると、全人口の5分の1がその映画を観たとのことになる。未だに日本不買運動「NO JAPAN」が続いている状況を勘案すると、「鬼滅の刃」は韓国で驚異の成績を上げているとのことだ。
一方、2つ目。「鬼滅の刃」の韓国での大成功に影が落とされた。映画版ではないが、ネット配信中の「鬼滅の刃」に「旭日旗を連想させるイヤリング(耳飾り)が登場する」として、米国ネットフリックスに抗議が殺到したこと。
それを主導した団体は日韓で既に有名な「VANK(バンク、ヴァンク、Voluntary Agency Network of Korea)」である。名前から”奉仕活動”を唱っているこの団体は、他にネットフリックスで配信中のドラマ「ベビー・シッターズ・クラブ」に対しても、日本が被害者であるように思わせる場面があるとして抗議した。
このVANKとは1999年に設立された韓国のNGO(非政府団体)、NPO(非営利団体)である。当時、大学を卒業したが、IMF外貨危機の影響で就職難に遭っていたパク・キテ氏が、Eメールで外国人と文通(ペンパル)をしていたことがきっかけだ。彼は文通を楽しみながら「”サイバー民間外交官”が海外に文通友達を作り、その交流で“韓国の正しい姿“をインターネットを通じて世界に伝える」ことを目標とした。
その後、組織が大きくなり、多くの活動が「独島(竹島)表記運動」や「東海(日本海)表記運動」「旭日旗反対運動」になり、日本では「反日団体」と認識されている。しかし、10年前の東日本大震災の時は、1500万ウォン(約140万円)の義援金を日本に送ったこともある。また、「高句麗の歴史問題」や「キムチの起源問題」に関しては「反中団体」の顔も持っている。
具体的には”研究員”たちが韓国に関して削除・変更させたい内容を発見し、抗議・勧誘の英訳文を作成する。会員たちは”サイバー外交官”や”グローバル韓国広報大使”として、その英訳文を世界の色々な機関にEメールなどで送りつけて「削除・変更」するように圧力をかけている。
年間の収入と支出は、日本円で4000万円~5000万円程度である。2019年の場合、収入の26%が「サイバー独島士官学校事業」から出ていて、22%が「寄付金」から、17%が「グローバル歴史外交アカデミー事業」からの収入である。会費収入は2%ほどの80万円~100万円だ。
正会員は「一生会費」として約3千円を払う制度なので、積極的に参加する新規会員は年間300名程度と推計される。”サイバー外交官”20万人を育てることを目標としているようで、それが実現するとしても、この40日間、約千円ほどを払って映画館で「鬼滅の刃」を観ている100万人の勢力には及ばない。
この団体は”民間外交”を唱っているため、韓国政府は直接支援はしていない。但し、教育部(文部省に相当)が「韓国学中央研究院」または「独島研究所」に支援する予算の一部は流れているようだ。
年間の予算に比べてやっている活動は華々しい。グローバルな英語サイトに対する”請願”活動も活発である。最近の活動だけでも、「アジア人たちに対する嫌悪犯罪および人種差別の防止キャンペーンの請願」、「アン・ジュングン(安重根)義士の殉国日、『東洋平和の日』指定請願」、「関東大震災、朝鮮人虐殺に対する真相究明を要求します!」、「中国の文化帝国主義に対する反対請願」、「ハーバードロースクール教授、日本軍慰安婦論文の撤回請願」、「韓国戦争の参戦勇士を覚えてください」、「中国の韓国文化窃盗行為を糾弾します」などがある。
今回、「鬼滅の刃、旭日旗抗議運動」の場合、「旭日旗」に対する解釈の問題は別として、このデザインが常識的に「旭日旗」として受け止められるのか、疑問が残る。ネットフリックスで配信されている韓国配信用の「鬼滅の刃」は既に変更された。W解説序章の関連写真に、修正前後の比較写真も含まれている。
この団体は他の国向けの「鬼滅の刃」配信に対しても抗議をしている。日中韓に共通する文化、東洋の知恵の言葉がある。過ぎたるは及ばざるが如し。
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