“ソウル・釜山市長補欠選挙”で韓国与党は「完敗」した(画像提供:wowkorea)
“ソウル・釜山市長補欠選挙”で韓国与党は「完敗」した(画像提供:wowkorea)
「民心は恐ろしい」というのは、政治的な修辞ではない。冷静な結果だ。今回の“4・7ソウル・プサン(釜山)市長補欠選挙”で、そのことが改めて確認された。3年前の地方選挙の結果と比べると明らかだ。当時は野党第一党“国民の力”の前身“未来統合党”が「完敗」した。今回の補欠選挙では、与野党の立場が完全に逆転したかたちとなった。「民心は 船を浮かべもするが、転覆もさせる」ということが実感された。

政治評論家たちの分析を だいたい集約すると、国民たちが相当に「怒っている」ということだ。これを3つに まとめることができる。まず 補欠選挙の史上最高の投票率だ。ソウル58.2%・釜山52.7%という結果であったが、4月7日は「休日」ではなかった。それでも歴代最高の投票率を記録した。まるで投票日を待っていたかのようであった。それほど民心は「怒り」、投票場に向かったということだ。

2つ目は 20%近い「大差」だ。ソウルの野党・与党候補の差は「18.32%」、釜山は「28.3%」となった。与党が単純に「負けた」のではなく「完敗」したということだ。与党“共に民主党”は、174もの「圧倒的な議員議席」を獲得している執権与党である。

最後の3つ目は 与党のどんな選挙戦略にも民心は引っかからなかったことだ。与党は野党候補に対するネガティブ攻勢に加えて、執権与党としての力を使って4次災難支援金の支給や釜山のカドクト(加徳島)新空港特別法まで処理し、「政策手段」を動員した。更には ムン・ジェイン(文在寅)大統領までもが加徳島を訪れ「胸が躍る」として、釜山市民に訴えた。それでも 「怒りの」ソウルと釜山の有権者たちは、それに飛びつくことはなかった。野党候補たちに対する道徳的欠点より、文政権の実情に より「怒っている」ということだ。

今回の与党の敗因において、不動産政策の失敗や韓国投資住宅公社(LH)の投機疑惑をあげる人たちが多い。しかし これだけであるなら「表面的」だ。より根本的な原因は、4年の間 積もりに積もった「怒り」である。180議席に達する圧倒的な数の力を節制できなかった結果である。“検察改革の断行”と“立法独走”を、国民たちは「黙って」採点していた。

“不動産賃貸に関する3法”は、その代表的な立法独走の失敗例となった。野党の反発を押しのけ強行処理した結果は、与党にブーメランとして戻ってきた。

これに加えて 与党の「偽善」と「独善(自分がしても“善”、他人がしたら“悪”)」が、民心の怒りの火を一層 煽ることとなった。どんな政権でも「完璧」はない。しかし 文政権には「謝罪」の代わりに これまで「疑惑」や「事態」が起こるたびに、「詭弁」、「独善」で一貫して対応してきた。どこまでも「言い訳」を探し、前政権のせいにしてきた。また 4年間ずっと「積弊清算」を理由に、「葛藤と対立」に力を注いできた。今回の補欠選挙の「惨敗」は、このような要因が積み重なった結果だと理解される。

しかし 与党にも まだ「機会」はある。選挙により明らかとなった「民心」をきちんと受け入れ 目線を合わせるなら、離れていった民心を再び呼び戻すことができる。「国民たちが なぜ怒ったのか」を理解することが最初の一歩である。その後 謙虚な姿勢で国民をいたわるなら、再び機会は訪れる。もし そうではなく、今までのように他人のせいにしているのなら、希望はない。それでも まだ任期は、11か月残っている。

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