福島原発処理水海洋放出で日本の水産物「不買運動」…国内水産物の需要萎縮の懸念も(画像提供:wowkorea)
福島原発処理水海洋放出で日本の水産物「不買運動」…国内水産物の需要萎縮の懸念も(画像提供:wowkorea)
日本政府が福島原発の処理水を海洋放出することを決定し、水産物製品にも「日本製品不買運動」が広がる兆しを見せている。すでに韓国・ソウルのある大型スーパーが営業場に「日本産水産物は売らない」という案内文を掲げ、業界では全体の水産物需要減少につながるのではないかと懸念を示す雰囲気だ。

 14日、農協などによるとハナロマート倉洞店はこの日、水産コーナーに「日本産製品を販売しない」という案内文を設置。前日、日本政府が福島原発汚染水の海洋放出を決定したことと関連し、消費者の混乱を食い止める狙いがあるからだ。

 2019年、日本政府が韓国に対する輸出規制措置ではじまった日本製品不買運動により、ビールや衣類、自動車など日本からの輸入製品は少なからず打撃を受けた。2018年、輸入ビール販売トップだった日本産ビールは、昨年の販売量が8分の1に減り、今はコンビニではなかなか目にできないほどだ。時間が経って、日本産製品の販売量が一部回復するなど不買運動はやや小康局面に差し掛かっているが、今回の汚染水放流決定が再拡散の起爆剤となっている。

 特に水産業界の反発が強い。韓国の水協中央会は14日、韓国水産産業総連合会、韓国水産業経営人中央連合会など25の水産関係団体とソウルの在韓日本大使館を訪問し、日本政府の汚染水海洋放出決定の撤回を促した。

 彼らは声明書を通じて「原発処理水の海洋放出は、韓国国民はもちろん、全世界の人類に対する核攻撃と変わらない破滅的な行為」として、日本政府の決定を強く糾弾した。さらに汚染水の海洋放出決定を直ちに撤回し、決定の撤回があるまで日本の水産物輸入を全面禁止することなどを決議した。

 政府は汚染水の放出による被害が懸念される場合、日本の水産物の全面輸入禁止を検討することもできるが、今すぐの措置は難しいという立場だ。韓国は現在、福島と近隣の8県で生産された水産物の輸入を禁止している。輸入を全面禁止するためには、汚染水の放出により、日本全域で生産される水産物の安全性を保障できないという科学的証拠がなければならないが、これを裏付ける研究などが足りないのが現状だ。

 実際、福島第一原発事故が発生して10年が経ったにもかかわらず、まだ流出した放射能物質が韓国の海域などに及ぼす影響などに関する研究は皆無だ。

 政府は、日本産水産物の放射性物質検査の拡大、原産地取り締まりの強化などを推進する方針だ。しかし、水産物輸入禁止と通商対応は科学的根拠なしには推進が難しいという立場を示しており、自律的に推進される「不買運動」などが拡散する兆しを見せている。

 水産業界では、このような不買運動が国内水産物の消費萎縮につながるのではないかという懸念も出ている。水協関係者は「日本政府の決定が、水産物の放射能汚染可能性に対する懸念を拡大させたことで、水産物消費の急減と水産業が壊滅的な被害を受ける可能性がある」と述べた。

 政府は日本産水産物に関連し、放射能検査に関連した海洋環境モニタリングの結果、船舶平衡水検査の結果、水産物放射能検査の結果および原産地取り締まりの摘発現況などを透明に公開し、今回の事態が消費萎縮につながらないように誘導していく方針だ。


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