(画像提供:wowkorea)
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韓国で出前アプリ「配達の民族」を運営するウーワブラザーズ(Woowa Brothers)の日本法人ダブリュービージェーは、日本におけるフードデリバリーサービス「FOODNEKO」を終了すると発表した。

今後はドイツのデリバリーヒーロー(Delivery Hero)の子会社デリバリーヒーロージャパンが運営する「foodpanda」のブランドでサービスを提供するという。

今回の統合は、ウーワブラザーズとデリバリーヒーローが3月にアジア太平洋地域での戦略的パートナーシップを締結したことに伴うものだという。

分かりやすく言うと、ドイツ資本が韓国の「ネコ」運営の会社とシンガポールの「パンダ」運営の会社を買い占め、各々日本に進出させたが、熾烈な競走でネコを捨てパンダに統合させるとのことだ。

「FOODNEKO」は昨年12月に日本でサービスを開始したが、わずか5か月で終了となった。背景には、コロナ渦で加熱気味の日本フードデリバリー市場で、同業の競争者が乱立する中、生き残りをかけた事業拡大戦略が垣間見える。

日本から由来した出前・配達文化は韓国でIT化やスマホ化の波に乗り、広く社会に根付いている。ピザやジャージャー麺、チキンを中心として広まった飲食配達・出前だったが、いつの間にかメニューが豊富になり、自宅以外の場所にも配達可能。1人前から注文を受け付ける店も多く、多彩なサービスを利用者に提供している。

「FOODNEKO」のウーワブラザーズは、韓国で2011年からフードデリバリー事業を開始した。同社が展開する出前アプリ「配達の民族」は韓国で首位のシェアを誇っている。その結果、史上最高値でドイツ資本に買収された。

しかし、お互いを真似まくる韓国市場での競争は甘くない。韓国系日本人の孫正義氏が投資したオンラインショップ最大手「クーパン(Coupang)」の「クーパンイーツ」など競合他社の市場参入を受け、韓国国内市場は次第に飽和状態に。海外進出に乗り出し始めた。

「FOODNEKO」ウーワブラザーズの日本市場への挑戦は2014年に続いて2回目だった。「配達料金は1.5キロまで無料」、「1人前から注文可能」などを売りに昨年12月から東京・新宿区と港区、渋谷区でサービスを開始した。

日本初進出の2014年の当時は日本社会にフードデリバリーがさほど浸透しておらず苦戦。2回目の挑戦では、コロナ渦で、日本でもフードデリバリーの需要がにわかに高まっており、そこに商機を見出そうとした。しかし、「Uber Eats」や「出前館」、「Walt」、「Menu」など同業競争者が日本市場に乱立する中で、熾烈な競争を強いられることとなった。

今回サービスを統合するシンガポール発の「foodpanda」は、昨年9月から日本でサービスを開始。7か月で20以上サービスエリアを拡大させた。フードデリバリー事業のほか、日用品を提供するクイックコマース(qコマース)事業も展開している。

日本のフードデリバリー事業は、同業各社が競争を繰り広げる中、順調に成長してきている。外食・中食市場情報サービスを提供する、エヌピーディー・ジャパンが発表した調査レポートによると、2015年に3564億円だったフードデリバリー市場は2018年には約4084億円に拡大。コロナ禍の昨年は前年比50%増の6264億円となった。

今後も成長が見込まれる日本のフードデリバリー市場。今回のサービス統合によって日本の消費者に新たなサービスを提供することができるのか注目される。

日本発祥の出前が韓国でIT化・スマホ化された。シンガポールで成長したサービスはドイツ資本に買収された。そのドイツ資本は韓国のサービスまで買収し、出前発祥の地・日本に進出した。世界の美食文化が集まる日本に、世界の出前企業が集結している。
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