判決で裁判長は「投稿の表現は、在日韓国・朝鮮人に対する人種差別に当たる。読者に差別的な言動をあおり、極めて悪質だ」と指摘した。
ヘイトスピーチは後を絶たない。ネット上では罵詈雑言が飛び交っており、裁判で訴えた男子大学生も投稿者から誹謗中傷を受けていた。
特定の民族や国籍の人に対する差別的言動を根絶する施策を国や自治体に求める「ヘイトスピーチ解消法」が施行されてから来月で5年を迎える。
ことし3月、関東弁護士会連合会は、同法に基づく取り組み状況について、管内の11都県と56の特別区・市町に行ったアンケート結果を公表した。条例の制定といった新たな施策を行った自治体は一部にとどまっていることが分かり、同会は「取り組む姿勢は感じられるが、全体的に不十分。ヘイトがないと回答した自治体でもデモなどが確認されており、実態把握が十分できていない」と結論づけている。
そんな中、川崎市は昨年7月、全国で初めて刑事罰を盛り込んだ差別禁止条例を全面施行した。同市では、2013年ごろからヘイトスピーチが問題化。たびたびヘイトデモが開かれてきた。
日本の法務省は、16年1月に同市川崎区桜本地区で行われたデモでのヘイトスピーチが人権侵害に当たると認定。同年8月、デモを主催した男性に同様の行為を行わないよう勧告している。
こうした不当な差別的言動を街からなくそうと制定されたのが同市の差別禁止条例で、罰則規定も盛り込む画期的なものだったが、穴があるとの指摘も出ている。そのためか、施行後も市内では川崎駅前などでヘイト集会が行われてきた。
条例では「排斥・危害・侮辱」の3類型に分け、禁じる言動を具体的に規定しているが、当たらずとも遠からずの言動には罰則が適用できないなど不十分な点がある。
また、同市の多文化交流施設「川崎市ふれあい館」にはことし3月、「南北朝鮮人は即祖国に帰れ」などと書かれた封書が届いた。依然「言葉の暴力」が続いている現実がある。
「ヘイトスピーチ解消法」が施行してから、国や地方自治体はヘイトスピーチ根絶に取り組み、社会でもこうした言動を許さないという意識は高まってきているが、今なお途上にある。
最近では、大手化粧品会社の会長が競合他社を名指しし「CMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人」などとサイト上に差別的なメッセージを掲載、批判が相次いだ。
その中、韓国では日本に関するヘイトスピーチがコントロールされずに放置されている。特に慰安婦問題に対するヘイトスピーチは深刻な状態となっている。ハーバード大学ロースクールのラムザイヤー教授もその被害者の一人である。
教授の論文に対する反論が期待されたところ、教授へのヘイトスピーチばかりが横行しているのが現実だ。違う意見に対して反論が出来ずヘイトがまん延するような社会は、いずれ発展の動力を失う。
日本では間もなく東京オリンピックが開幕を迎える。五輪憲章はいかなる差別も反対している。開催国としてヘイトを根絶させるため日本が努力してきたように、韓国もヘイト根絶のために力を入れるべきである。
旭日旗に関する10年刑発議云々の時ではない。ヘイト防止の社会システムが出来ていないことは恥ずべきことを認識すべきだ。
Copyrights(C)wowkorea.jp 6