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政府は、既存社員との葛藤、人件費の負担をどのように調達するかなど、正社員化以後に発生するさまざまな問題に、まったく準備ができていない状態でこれを強行した。
専門家は政府が民間に委託した業務まで正社員化を無理に進め、元請けと下請けの労働者の間で不必要な葛藤を助長したと指摘する。問題は、公共部門の正社員化政策の影響が今始まったばかりだという点だ。正社員になったばかりの社員が待遇改善などを要求し、正社員と対立する事態がいたるところで起きている。ただでさえ莫大な借金に悩まされている公共機関は、費用の負担も心配の種だ。次期政府が時限爆弾を抱えることになるだけに、今からでも改善案を用意すべきだという声が上がっている。
政府は2017年7月、公共部門の正社員化へのガイドラインを提示したが、コールセンターのような民間委託労働者の正社員化については、ガイドラインを作成しなかった。
民間の委託業務は法令の根拠、自治分権、業務の多様性などで正社員化案を一律かつ拘束力のある指針にするのに限界があるという理由からだった。その代わり、各機関が自主的に正社員化に対する妥当性を検討し、雇用方式を決めるようにした。
問題は、国民年金公団と勤労福祉公団、健康保険審査評価院などが先頭に立って、民間委託したコールセンターの社員を直接雇用すると、以後、財政余力や勤務条件などが千差万別の状況でも、ほとんどの機関が「泣き寝入り」で民間委託社員を直接雇用するしかなかったという点だ。
ある公共機関の関係者は「子会社を設立して民間委託社員を正社員として吸収する案も検討したが、他の機関の例をあげ公平性に反するとして、他の案を提示することが難しかった」と述べた。
高麗大のパク・チスン労働大学院長は「コールセンターのような民間委託業務は、そもそも技術発展などの影響で雇用が変わる可能性が大きく、正社員化が難しかった」とし、「正社員化を進める段階で民間委託業務は直接の雇用対象ではないと線を引くべきだったが、明確な基準を示せなかったため公平性の問題が浮き彫りになった」と説明した。
紆余(うよ)曲折の末、正社員化を完了したとしても問題が終わるわけではない。すでに正社員化を終えた公共機関も後遺症に苦しんでいる。
子会社設立後の採用は、既存労組との摩擦を避けながらも雇用安定を図ることができるという点で公共機関が選んだ方式だったが、いざ子会社で採用された社員は、本社社員との給与や福利厚生の格差が大きいという理由で不満が多い。健保公団コールセンターの労組が直接雇用を要求する背景にも、このような点が影響しただろうという分析だ。
正社員の雇用もまた、既存社員との賃金や福利厚生の格差、ボーナス支給の差別などを巡り、対立が後を絶たない。
パク・ジスン院長は「無条件的な正社員化は経営難とリストラにつながる危険が高く、既存労組が反対するしかない状況が発生する」とし、「元請労組と下請労組が協業することもできたが、結局対立する望ましくない関係になっている」と指摘した。
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