韓国バッテリー、重要素材で支配力を高めたが…日中に後れを取って3位(画像提供:wowkorea)
韓国バッテリー、重要素材で支配力を高めたが…日中に後れを取って3位(画像提供:wowkorea)

 韓国のバッテリー(二次電池)素材分野が世界市場でのシェア率を高めたが、中国と日本に次いで依然3位にとどまっていることが分かった。

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 日本市場調査会社である矢野経済研究所によると27日、昨年、リチウムイオンバッテリーの4大重要素材市場は計233億ドル(約2兆5800億円)と、前年比で13.1%成長した。2019年には7.9%増加したのに比べ、伸び幅が大きくなった。

 リチウムイオンバッテリーは現在、モバイルをはじめとするIT機器だけでなく、電気自動車やエネルギー貯蔵装置(ESS)に至るまで、最も広く使われているバッテリーだ。陰極(-)に貯蔵(充電)されていたリチウムイオンが陽極(+)に貯蔵されながらエネルギーを発生させる構造で、△陽極素材、△陰極素材、△陽・陰極間のリチウムイオンを伝達する電解質、△陽・陰極が接触しないように分ける分離膜など4大素材が重要な素材となる。

 韓国のバッテリー素材別シェアは、△陽極素材の2019年7.8%→2020年9.0%、△陰極素材の6.0%→6.8%、△電解液の9.4%→9.4%、△分離膜の8.4%→8.5%などと前年比で上昇した。主要供給先としては国内バッテリーメーカーが定着し、これらの電気自動車バッテリーの供給も増えたことでこの傾向が続く可能性が高いと矢野経済研究所は診断した。

 ただ、シェア率は4大素材ともに1桁台で、中国や日本に大幅に遅れを取る状況が続いた。△陽極素材は中国72.4%、日本13.0%、△陰極素材は中国80.9%、日本12.3%、△電解液は中国73.5%、日本17.2%、△分離膜は中国62.2%、日本29.3%など、素材市場内の中国と日本のシェアが圧倒的だった。これは、韓国のバッテリー製造3社であるLGエネルギーソリューションやサムスンSDI、SKイノベーションなどが世界の電気自動車バッテリー市場で昨年の合算シェアが34.6%に達したのとは対照的だ。

 矢野経済研究所は、バッテリー素材市場が毎年10%以上成長し、2025年には500億ドル(約5兆5400億円)規模まで成長すると見込んだ。現在の中国優位市場を変える要因としては、△補助金政策が終了した2023年以降の中国電気自動車市場の動向、△欧州内のリチウムイオン電池の生産過程での炭素排出規制の動き、△米中貿易戦争などが挙げられた。

 続いて「当分の間、中国優位の素材市場が維持される可能性が高い」とし、「ニッケル含量を高めようとするハイニッケル(High-Nickel)の流れと同時に持続する安価な素材に対する需要、電気自動車以降のバッテリー使用と関連し、さらに重要になる寿命価値にも注目する必要がある」と付け加えた。
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