「返さなくてもよい」と1000円札一枚を握らせ歩き出す男性におばあちゃんは頭を下げ言う。「ありがとうございます、ありがとうございます…」
25日、講談社が発行する週刊誌フライデーは今年4月、3回目の緊急事態宣言の後に物乞いをするホームレスが増えていると伝えた。日本では15年前くらいから姿を消していた路上での物乞いが再び登場した理由は何だろうか。
新宿でアルミ缶を拾って売って生計を立てていた70代のホームレスは最近、プラスチック缶1つを地面に置いて通行人に物乞いを始めた。缶1kgで100円程度を受け取って生活していたが、コロナ以降はこの値段がつかなくなったというのが彼の説明だ。缶を集めることも難しくなり、一日中歩き回っても100円も稼げなかったこともよくあった。彼は「今まで物乞いのようなことはしなかったが、コロナのせいで仕事が全くない」と愚痴をこぼした。
コロナが一番最初に奪ったのは、ホームレスの生計型雇用だ。日本の高齢者の貧困問題を指摘した「下流老人」の著者藤田孝典は「コロナでチラシ配りと並んで代行などの仕事をしていたホームレスが一番最初に打撃を受けた」とした。
東京オリンピックまで1か月も残っていない今、オリンピックの野球とソフトボールの試合が行われる横浜スタジアムの隣の公園には、色とりどりのコーンや障害物が登場した。オリンピック期間中、ホームレスが住み着くことができないようにするためだ。都合の悪いことは見えないように取り除くという方式である。コロナ渦で国民的反対を押し切ってオリンピック開催を強行した日本政府の頭の中に、ホームレスが横になる空間はないようだ。
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