(画像提供:wowkorea)
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東京オリンピックの開催による「五輪特需」を当て込んでいたのは韓国も例外ではない。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大という予期せぬ事態で開催は1年延期、未だ収束が見通せない中で今月開会されようとしている東京五輪に、韓国の一部業界関係者からは「特需が台無しだ」との恨み節も聞かれる。

韓国の航空会社は、これまでの五輪では開催期間中、増便や特別価格の航空券を販売するなどし、五輪特需を享受してきた。しかし、東京五輪に合わせた増便などは予定していない。

それどころか、これまで感染状況を見ながら進めてきた国際線の運航再開は、ここに来て変異ウイルスのインド型(デルタ株)が拡大していることから、再び遠のいている。

聯合ニュースが27日に伝えたところによると、韓国の航空会社は変異ウイルスの拡大を受け、日本や中国、東南アジア路線の運航再開計画を事実上、保留としているという。

業界関係者は「国内の航空会社は国土交通部(部は日本の省に相当)に東南アジア路線の運航許可を申請したが、許可が出ても実際の運航は難しい」との見方を示した。

格安航空会社(LCC)のジンエアーは、現在、日本路線を不定期便として運航している。ティーウェイ航空も今月からインチョン(仁川)と成田、大阪、福岡を結ぶ便の運航を休止した。

一方、大手の大韓航空とアシアナ航空は今月も日本路線の運航を継続する。

しかし、先月の韓国-日本線の利用客は8500人で、コロナ禍前の2019年5月(179万人)のわずか0.5%と依然、厳しい状況となっている。五輪が開幕する今月もほぼ同水準で推移するものとみられている。

韓国は東京と時差がなく、気候も似ており、距離的にも近いことから、本来、五輪出場各国の選手団の合宿地として最適なはずだった。多くの遠い国の選手団が、東京入りする前に隣国・韓国で仕上げのトレーニングを行うことを見込み、それに伴う大きな経済効果が期待されていた。しかし、コロナ禍によって、そのもくろみは外れた。

一方、2008年の北京五輪の際には、韓国は大きな五輪特需を得ている。中国の大気汚染と練習施設の不足を懸念した約40か国の代表チームが続々と韓国入りし、事前合宿を実施。

その盛況ぶりを伝える当時の中央日報の記事は「約4か国(約2500人)が平均して約10日間滞在する場合、地域により差はあるが、約65億ウォン(当時のレートで約6億8869万円)の外貨が使用されるものと推定されている。そこに観光、広報など間接的な経済価値を合わせると、莫大な効果が予想されている」と伝えている。

航空業界や、事前合宿誘致を期待した韓国の各都市が特需を逃した一方で、特需が期待できそうな業界もある。

サムスン電子は3月、新型テレビ「Neo QLED」を発売。同社は、国際オリンピック委員会(IOC)から五輪関連のグローバル独占マーケティング権を付与された最上位スポンサーでもある。

LG電子も世界初の83型(対角長さ約211センチ)有機ELテレビを発売した。今回の五輪は競技会場での観戦が制限(海外からの観客受け入れはなし)されていることから、テレビの視聴者増を見込む。

また、ネット通販の最大手のクーパンは東京五輪のオンライン中継権を獲得。自社のオンライン動画サービスプラットフォーム「クーパンプレイ」を通じて、東京五輪をオンラインで単独中継する。

コロナ禍の最中で開催される異例のオリンピックで、日本から溢れてくる特需の恩恵を韓国が受けられるのは限定的となりそうだ。韓国の反日が日常化し、東アジア共通の知恵「唇亡歯寒」を忘れていたならば、そろそろ反省し、正常に戻るべきだ。
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