韓国の保守系最大野党「国民の力」のイ・ジュンソク(李俊錫)代表が8日、相星孝一駐韓日本大使と面会した。

イ代表は相星大使に対し、「近い隣国として今後、韓日関係で協力しなければならない部分が多い」とし、「今まで両国間の歴史問題などについて多少意見が集約されない部分があったとすれば、(今後は)互いに謙虚な姿勢で意見を合わせられるように努力していければと思う」と述べた。

イ代表と言えば先月11日、36歳の若さで党代表に選出され、話題を集めた人物。韓国の主要政党で初めての30代の党代表となったイ氏は、1985年3月ソウルで生まれ、小学校から高校までを過ごした。高校は名門・ソウル科学高校で学んだ。韓国には科学に関する教育に特化した「科学高校」が全土に19校あり、中でもソウル科学高校は最難関とされている。

卒業後は各種の大学ランキングで上位に入ることでも知られる、韓国中部のテジョン(大田)にある国立大学、KAIST(韓国科学技術院)に進学するも中退し、国費留学生として米ハーバード大でコンピューター科学と経済学を学んだ。卒業後はIT(情報技術)系のベンチャー企業を立ち上げた。

2011年にパク・クネ(朴槿恵)前大統領に、「国民の力」の前身、「ハンナラ党」の非常対策委員会委員に抜てきされ、政界入りした。しかし、16年の総選挙、18年の国会議員補選、昨年の総選挙ではいずれも落選しており、議員経験はない。

先月の党代表選では、選挙事務所、選挙カー、携帯電話のショートメッセージを使わない「3無戦略」で選挙運動を展開。相手の年齢に関係なく理路整然と語るイ氏の姿は、特に20、30代の男性から多くの支持を得た。

現在、保守右派野党の党代表として、来年の大統領選勝利を目指すイ氏だが、韓国の大統領選の被選挙権は40歳以上のため、自身が次期大統領を目指すことはできない。

しかし今回、36歳の若き党代表から日韓関係の改善に前向きな考えが出たことは、今後に希望が持てるとも言える。

イ氏は、相星大使との面会の際、日本の政党との交流についても言及。「もし日本でも政治にビジョンを持っている若い世代がいれば、大使館側で積極的に交流できるように協力してほしい」とし、「両国間の誤解のようなものが人の交流により解消されることがある。長期的な視野で両国や両国の政党が協力関係を早期に構築することが望ましい」と指摘した。

過去最悪と言われる日韓関係。改善の方向を主導していくのは「反日教育」や「嫌韓」の中でも汚染されていない若き政治家たちかもしれない。過去は過去として片づけ、約束は約束として守り、未来は未来として協力していく若者の姿。一縷の望みにかけてみたい。

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