決議案は、16日から中国・福建省で始まる世界遺産委員会で取り上げられる見通しで、委員会は日本に対し、適切な措置を講じるよう求めるものとみられる。
これについて韓国メディアは、「ユネスコ、日本の軍艦島わい曲に警告状」(ハンギョレ新聞)、「軍艦島の歴史わい曲、韓国が勝った ユネスコが日本に『強い遺憾』」(イーデイリー)といった見出しで報じている。
「明治日本の産業革命遺産」は、8県11市にまたがる23の構成遺産から成る。西洋から非西洋世界への技術移転と日本の伝統文化を融合させ、1850年代から1910年までに急速な発展を遂げた炭鉱や、鉄鋼業、造船業に関する文化遺産で、2015年に世界文化遺産に登録された。
韓国は23の施設の中に含まれる端島では、「多くの朝鮮人が強制労働させられ犠牲になった」と反発し、世界遺産登録に反対する声を上げた。
これに対して日本は、「犠牲者を記憶にとどめる対応措置をとる」と表明し、昨年6月、東京に「明治日本の産業革命遺産」の全体像を紹介する産業遺産情報センターを開設した。
しかし、韓国側は「展示は強制労働させられた朝鮮半島出身者の被害が明確に説明されておらず、遺産登録時の約束が守られていない」などと批判。韓国外交部(日本の外務省に相当)は駐韓日本大使を呼び抗議した。
今回、ユネスコが軍艦島の展示について「不十分」とする決議案を出したことについて、韓国メディアは、「日本が世界文化遺産を申請した当時の約束とは異なる行動を取っていることを国際社会が認めた形となった」(イーデイリー)などと報じている。
韓国は、この問題を含め歴史問題に関してしばしば「日本のわい曲」を指摘するが、軍艦島をめぐっては、事実とかけ離れた内容の児童向け絵本が韓国に存在する。「恥ずかしい世界文化遺産 軍艦島」とのタイトルの絵本は、軍艦島を訪れた主人公がチョウに導かれ、当時、軍艦島で働いた朝鮮の少年に出会うというストーリーで展開される。
絵本では、12歳の少年が軍艦島に強制連行され、地下1000メートルで石炭を掘る様子が描かれている。強制連行云々以前に、日本では当時、14歳未満の就業や、16歳未満の坑内での労働は法律で禁じられており、このような事実はない。
また、「地下1000メートル」の記述も、当時の炭坑の最深部が地下710メートルだったことから、事実と異なる。さらに、軍艦島での朝鮮人労働者が劣悪な環境で働かされていたことを表現した絵本の挿絵についても、終戦直後の東京・品川の戦争孤児の収容施設を撮影した写真を基にしている。
正に酷い内容だ。絵本のあとがきには「私たちの歴史、私たちが正しく知らねばなりません」と書かれてある。しかし、子ども向けの絵本に「正しい歴史」ではなく、「わい曲した歴史」で「憎しみを植え付ける教育」を図っているのなら、次の世代に対する取り返しのつかない悪質な罪だとしか言えない。
一方、軍艦島に関する日本の約束は、してはいけない約束だった。しかし、約束は約束だ。ユネスコの決議案が無くても、約束は守るべきだ。それが日本らしさであり、日本の力でもある。1965年の約束と2015年12月の約束を破っている韓国の左派政権に対して、「日本は約束を守る」を歴史に残すべきである。軍艦島は日本人労働者にも朝鮮人労働者にも約束を守っていたからだ。
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