今大会から新種目として加わったアーチェリー混合団体の決勝が24日、東京・江東区の夢の島公園アーチェリー場で行われ、韓国のキム・ジェドク(金済徳)、アン・サン(安山)ペアがオランダを5-3で下し、金メダルを獲得した。
キム選手は17歳の高校生で、アン選手は20歳の大学生。共に五輪初出場の若きペアが、新種目の初王者となった。
韓国はこれまでの五輪で、アーチェリー競技では男女とも、個人戦でも団体戦でも数多くのメダルを獲得してきた。リオ五輪では、男女個人・団体の全種目で金メダルを独占するという偉業を成し遂げた。
特に女子団体は、1988年のソウル五輪から今回の東京五輪まで、9大会連続で金メダルを獲得しており、驚異的な強さを誇る。韓国がアーチェリー競技に強い理由はどこにあるのだろうか。
韓国は自国で初の五輪開催となる1988年のソウル五輪に向け、様々な競技の選手の育成強化を図った。韓国政府が1980年代に自国の有力企業に支援を求める中、賛同した韓国の巨大企業、現代グループが支援対象競技として選んだのがアーチェリーだった。
現代グループは、長年にわたり資金援助を続けているほか、大韓ア-チェリー協会の歴代会長は同グループから出している。現代自動車グループのチョン・ウィソン(鄭義宣)会長は、2005年から大韓ア-チェリー協会会長を務めている。
また、韓国ではアーチェリーの競技人口が比較的多く、小学校から社会人まで多くのクラブやチームが存在するという。アーチェリースクールもある。選手の育成に力を入れており、小学生から基礎技術を徹底的に指導するという。
アーチェリーは、70メートル離れた的に向けて矢を放つ競技で、的には同心円が描かれており、中心に近いほど高得点となる。最高点の10点が与えられる最も小さな円は、直径12.2センチで、CDほどの大きさしかない。
それだけに、高い集中力が要求される競技で、メンタルの状態が結果を大きく左右する。そのため、韓国のアーチェリー代表チームは2000年のシドニー五輪時から心理訓練プログラムを導入。風雨や騒音など心理状態を乱す環境を意図的に作り出し、そうした環境下の中での練習を多く積んでいるという。
東京五輪のアーチェリー会場も海が近い場所にある。キム・ジェドク、アン・サンのペアが、海風も予想される環境下でも本来の力を発揮し金メダルを獲得できたのも、こうした心理トレーニングの成果が生きたのかもしれない。
アーチェリーで韓国代表になるのは、五輪で金メダルを取るよりも難しいとも言われる。そんな厳しい競争を勝ち抜いて東京オリンピックに挑む韓国アーチェリ代表選手たちだが、アーチェリーにおいて韓国の強さには歴史的な理由もある。
古代中国の歴史書「三国志魏書東夷傳」は中国の視点で満州や朝鮮半島や日本列島の諸国を説明している。半島に関する内容には「弓」が盛んに登場する。唐が高句麗を侵攻した時も、元が高麗を侵攻した時も、半島の「神弓」が大陸との戦いで大活躍した歴史がある。時代は変わっても、弓術に関する民族の特徴は変わらないようだ。
「三国志魏書東夷傳」に登場する半島の他の特徴は「歌と踊り」である。K-POPという形で歌って踊る韓国エンタメの世界進出を見る限り、この史書に納得してしまう。日本列島に関する記述もあるが、「寿命が長く、窃盗がなく、争訟が少ない」とのことだ。 やはり歴史は繰り返されるもののようだ。
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