ドラマ『愛には奇跡が必要』では、北朝鮮の元・高官を親に持つリギョンが、ミミ役を演じている。
リギョンは、すでに正月特集ドラマ『苹果梨(ピングアリ)』に延辺(ヨンピョン)娘として出演したこともある。
ところでドラマでは、延辺(※)や北朝鮮出身の女性同胞たちをどのように扱っているのだろうか。それについても考えてみるべきだと思う。

ユ・ダイン の最新ニュースまとめ

まず、『愛には奇跡が必要』のミミという人物を見てみよう。北朝鮮出身のこの女性は、いわゆる<喜び組>に抜擢されたことがあり、父親と脱北し、韓国に定住する。その後、チャ・ボンシム(キム・ウォニ)と出会い、チャン・ギョンヒ(ユ・ダイン)と共にナレーターモデルを務める。

ミミは韓国の社会文化について何も知らない。そんなミミを通じて、韓国社会の風景を本格的に反芻してみるのも意味深いだろう。しかしがんばったにもかかわらず、ドラマはこの点に追いついていない。注目するべきはこのような点ばかりではないだろう。ドラマ『二度目のプロポーズ』では、延辺出身の若い女性が、食堂のサービングとして登場している。

考えてみると、延辺や北朝鮮出身の女性たちが韓国でできることは喫茶店や食堂、そしてカラオケ屋などでの単純労働、サービスしかない。ここにナレーターモデルも含まれる。ナレーターモデルは、一見華やかに見える。ミミの場合のように、映画女優の夢を抱きながら活動できそうに見えるのだ。しかし、重労働でもあり社会的な偏見が存在するのが現実である。

先月の統計庁の発表によると、北朝鮮は韓国に対し、人力供給第5位の国家として浮上している。この比重は今後も増え続けていく見通しで、脱北者が増えたのが主な理由の一つであるとされている。しかしこのような事実に際し、今もっとも深刻に憂慮されているのは、韓国の新貧困層を脱北者で満たしていくということである。それは未来の姿ではなく今、実現しつつある事実なのだ。

もちろん、このような点をドラマで本格的に扱ってはいない。彼らは韓国の人たちに純粋な面を見せ、過去の郷愁を呼び起こさせたり、笑いや感動を与える素材として使われてきたというのが、これまでのドラマの中での姿である。『愛は奇跡が必要』も同様だ。

ミミは朗らかで純粋な面ばかりが強調され、彼らが体験している韓国での生活での具体的な苦痛や涙は、笑いと愉快さで覆われてしまう。しかもミミはただの脇役に過ぎない。苦労している人物は?と言われればチャ・ボンシムが挙げられるのみだ。

これはドラマでのことに留まらない。北朝鮮の女性たちを純粋なイメージ商品として売りさばく韓国メディアの商売根性はたいしたものである。彼女たちの実際の悩みや具体的な人生にはちっとも目を向けていない。

北朝鮮出身の美人女優や芸術家を商品化するのに忙しいのと同じ脈絡なのだ。メディアや放送において、脱北者出身や中国の同胞たちは、現実の社会と同じように疎外されているのである。従って、まずドラマは脱北女性や中国の同胞を商品化するのではなく、具体的に反映するべきである。

※延辺=朝鮮族が多く住む中国の地域


Copyrightsⓒgonews & etimes Syndicate & wowkorea.jp

Copyrights(C)gonews & etimes Syndicate & wowkorea.jp 0