「無能な家長が賭博にはまって財産を使い果たした。妻は食堂に仕事をしに行くほかなくなり、子供たちは通っていた塾を全て辞めるようになり、参考書を買う金も無く、教科書でのみ勉強しなければならなかった。妻と子供たちは困窮して生活していき、如何にか辛抱するほかなかった。ある日、家長が家族らにこれ見よがしに居間の壁に大きな文字でこう書きつけた。『危機に強い家庭、頼もしい我が家族』」
本来怒らせるに値することでなく、そもそも被らなくともよい危機を招き、買わずともよい苦労をさせてしまってから、とんでもないスローガンを持って書きつけた。だから「危機に強い国、頼もしい大韓民国」と言うスローガンは非常に異常だ。
自営業者らが特につらい。コロナ禍の影響も大きいが、それ以前から打撃を被っていた。「所得主導成長」の次元から進められた最低賃金の急激な引き上げが自営業者らを行き詰まりに追い込んだ。最低賃金は文在寅政権発足から2年間で引き上げ幅が16.4%(2018年)、10.9%(2019年)と30%に迫った。最低賃金引き上げ分は政府が支給してやるものでない。例えようとすれば、文在寅政権は最低賃金と関連して全国の自営業者らにこのように通告したも同然だ。
「最低賃金を引き上げたので、貴殿の店で働く人に引き上げた賃金を支給して下さい。そうしなければ労働法違反で処罰されるので、適切に対応して下さい!」
最低賃金の急激な引き上げによる副作用はすぐ現れた。支給余力が無い自営業者は生き残るために従業員数を減らすほかなく、この時に雇用を失った多くの人々は就業が難しくなった。このような庶民経済の混乱の様相は各種の経済指標に反映された。雇用を失った下位階層の所得が減少し両極化が深化したと表れたのは代表的だ。
統計のやり方に関する不協和音で統計庁長が解任される初の事態まで繰り広げられた。コロナ禍以前の2019年第1四半期の経済は「-0.4%」と言うマイナス成長を記録して、民間消費は-0.5%にもなった。この10年余りの間で初めて、全ての階層の所得が後ずさりした。結局2019年6月8日に文在寅政権は「景気下方(下向き)」と言う表現を公式に言及して経済が駄目になったことを認めた。
原発を露骨に冷遇する文在寅政権の所為で、国家が背負い込む損失は測定不可能だ。7月19日に政府(産業通商資源部)は電力不足に対応準備するために、新月城1号機、新古里4号機、月城3号機などを順次再稼働すると発表した。原発無しには電力不足克服が難しいという点をついに告白したわけだ。
原発を冷遇すれば庶民経済がより一層困難になる。7月28日、ある専門家(慶煕大学原子力工学科、鄭釩津教授)は文在寅政権の原発政策に関して「韓国電力公社が電気料金を引き上げずに済む方法は無い。少なくとも3倍以上、料金が上がって行くだろうと見る」と警告した。
文在寅政権発足以降、新規の原発建設が白紙化され、原発の使用期限の延長が保留とされた。原発の穴をLNG発電と太陽光発電で埋めようとした。ところがLNG発電は価格が高い。太陽光発電は広範な森林の破壊など、環境破壊が不可避だ。
より一層深刻な問題は、これまでに積み上げた原発技術のエコシステムの基盤が動揺させられたという点だ。将来が不透明だと感じた一部の原発技術者らが海外へ発つ兆しは既に現れた。せっかく養成した原発技術者らの離脱による損失は、今の世代のみならず、後の世代にまで及びうる。文在寅政権の政治的業績作りの意欲は更にあり、海外の原発建設は韓国業者が受注することを寝ても覚めての望む。他国はこのような姿の文在寅政権を「二律背反」だと思わないだろうか?
2・4対策、5・28対策、6・17対策、6・19対策、7・10対策、8・2対策、8・4対策、9・5対策、9・13対策、9・21対策、12・16対策…など、文在寅政権はこんな風に不動産対策を2021年7月までに合計25回に渡って宣布した。二か月に一回ずつマシンガンを撃つかの如く発表した。
しかし結果は残酷だ。文在寅政権は今や「莫迦派式」(莫迦派:韓国の無差別暴力集団。前後見境なく無作法に、乱暴に振舞うこと)に出て来た。7月28日の不動産に関する国民に対する談話の際には、あたかも国民を対象に脅迫でもするかの如く、警察庁長を帯同して「市場攪乱行為を年中無休で取り締まるつもりだ」と脅した。政府の無能によって暴騰させた不動産は、前途洋々たる韓国の20代に人生設計を放棄させ、継ぎ接ぎ式に取って付けた不動産関連税は「苛斂誅求」となっている。
文在寅政権は国家間の約束までひっくり返した。あたかも自分がすれば、はるかにもっと良く出来るのだという風に、何かを見せつけるかの如く、豪快に振舞った。しかし結果は後始末出来ずに日本から輸出規制を課せられ、何らの罪も無い企業と一般国民だけが被害を被っている最中だ。
竹槍歌と残船12隻を口にして、李舜臣将軍まで召喚していき、輸出規制を撤回しろと日本に対して叱り付けたが、日本は微動だにしない状態だ。むしろ現在は日本にすがり付いて首脳会談を乞うている最中だ。
コロナ禍対策においても文在寅政権は勘違いをしていた。「K防疫!」と言って自ら慢心に陥り有頂天になる都度、大流行が不意に押し寄せた。現在は「シーズン4」(第4次大流行)が進行中だ。
ワクチンの確保だけとって見てもそうだ。大統領が乗り出して供給量を確保したと言って、あらん限りの恩を着せたかと思ったら、現実は全く異なるものとなった。ワクチンがこうだから未だに入って来れず、ああだから未だに入って来られないと弁明のみ溢れている。
防疫を優先して、他国では見られない全体主義的な国民統制を乱発し、既に苦痛の内にある自営業者らをもっとつらい目に合わせている最中だ。二重的な行動態度も見える。保守陣営の集会に対しては感染の根源地にでもなったかの如く霜柱のような態度を見せたかと思ったら、全国民主労働組合総連盟(民労総)の集会に対しては非常に寛大な態度を見せる。
自営業者らの苦痛は政府の所得主導成長というでたらめな理論を前面に押し立てた最低賃金の急激な引き上げから始まり、原発のエコシステム崩壊危機及び電力不足は政府の現実を忘却した原発冷遇政策から始まったのだ。
伝貰(月極家賃の代わり、高額な補償金・敷金を預ける賃貸方式)市場の混乱など、不動産の不順な動きもやはり市場に無知な政府の規制一辺倒な政策が生み出した災難だ。
韓日関係の破綻と日本の輸出規制でもたらされた混乱の様相もまた、政府の時代錯誤的な反日の産物だ。ワクチン供給の支障による防疫の混乱は、政府がワクチンの重要性をあらかじめ認識できず、後から遅れて慌てふためいて迎えた「因果応報」だ。
文在寅政権の失政事例を指摘しようとすれば、徹夜しても足りない。歴代政権の中で文在寅政権ほど、外交安保、法治、経済などの全ての分野で国益を毀損して広範な階層の国民に漏れなく苦痛をもたらした政権は無い。
次期政権以降の韓国政府がどんな姿を見せるのか分からないが、この程度だけでも文在寅政権は「国政失敗」分野で後にも先にも無い記録を打ち立てた。はるか後の世代までひっくるめて「ほぼ無能に近い」ものとしては記録を更新するのが難しいほど、酷い「国政失敗」だ。
肝心要は全ての事故は文在寅政権が起こしており、結果負担ないし後始末は無辜の国民が全て背負い込んでいるという点だ。「危機に強い国、頼もしい大韓民国」と厚かましいスローガンを「危機を呼ぶ政府、後始末する国民」へと換えて欲しい理由がここにある。
※この記事は韓国の保守論客ファンドビルダーさんの寄稿文を日本語に翻訳したものです。韓国メディアには既に韓国語版が公開されています。翻訳の正確さに対する責任は当社にあります。
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