イ・ジェヨン の最新ニュースまとめ
韓国政界では、ムン・ジェイン(文在寅)大統領の任期があと数か月しか残っていないため、今回、「赦免権」を行使する可能性があるとの見方が1か月ほど前から出ていた。
韓国では、1948年の建国以来、独立運動記念日(3月1日)や解放記念日(8月15日、光復説)といった慶祝日などに合わせてたびたび赦免が実施されてきた。ムン政権となってからも、既に2017年12月、2018年2月、2019年12月、2020年12月と、4回の赦免が行われている。
韓国には「罪を罰して、人は罰せず」という言葉があり、たびたび赦免が実施されるのもそうした考え方が根底にある。イ副会長は、パク・クネ(朴槿恵)前大統領への贈賄罪などに問われ、今年1月、懲役2年6月の実刑判決を受け収監された。
韓国を代表する巨大財閥企業のトップが長期不在となることで、経営に与える影響を懸念する声は以前からあり、韓国の経済団体は今年4月、ムン大統領にイ副会長の「赦免」を要請。
また、サムスン(SAMSUNG)、現代自動車(HYUNDAI)、LG、SKの韓国4大財閥の代表は6月、ムン大統領と懇談し、赦免を求めた。サムスン電子の代表は「半導体では大型投資の決定が必要だが、トップがいないと意思決定が迅速にできない」と訴えていた。
1か月ほど前からは「赦免」より「仮釈放」の可能性が高いと言われていた。法務部(日本の法務省に相当)がこのほど全国の矯正施設から提出を受けた仮釈放予備審査対象者の名簿に、イ副会長が含まれているとの情報もあった。
これについて法務部は名簿に李副会長の名前があるか否かについて「明らかにできない」としていたが、今回、「赦免」ではなく情報とおりの「仮釈放」が確定したわけだ。
韓国の世論調査会社、リアルメーターが先月26日に発表した世論調査の結果によると、イ副会長の仮釈放について、「経済活性化のためにすべきだ」との回答は66.6%、「特別扱いとも言え、すべきでない」は28.2%だった。
懸念されている、トップ不在による経営への影響だが、実際は限定的と言える。サムスン電子が29日に発表した4~6月期の連結決算によると、本業のもうけを示す営業利益は12兆5667億ウォン(約1兆1990億円)で、前年同期比54.3%増加した。
前期で振るわなかった半導体部門は、営業利益が6兆9300ウォンで前期(3兆4000億ウォン)の2倍以上となったほか、スマートフォンやテレビ・家電部門も善戦したという。
イ副会長は2017年2月のパク元大統領の弾劾直後にも逮捕され、2018年2月まで収監されていた。この期間も半導体の好況の恩恵も受け、サムスン電子の業績は伸びた。トップ不在でも影響を最小限に抑えられるのは、サムスンが事業部門ごとに経営トップを置き、創業家から専門経営者に権限委譲を進めてきたことも大きいとみられる。
しかし、大型投資への迅速な意思決定や新規事業の育成などではトップの不在は大きな打撃となる。韓国マスコミはイ副会長の仮釈放に言及する一方、就業制限などの制約を受けず、自由な経済活動が可能となる「赦免」ではなく、制約の付く「仮釈放」を選んでいることも指摘している。
「仮釈放」と「赦免」の最も大きな法律的な違いは「再収監の可能性」である。仮釈放の場合、その条件に違反するといつでも「再収監」があり得る。ここにサムスンを政権の言いなりにしたい思惑が隠れているのだ。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、経済回復を最優先の国政課題に掲げているムン政権。新型コロナの影響で冷え込んだ韓国経済の立て直しを図るために、イ副会長の存在が欠かせないことも間違いない。
しかし、相手は「韓国経済の30%」と言われるサムスンのトップ。5年任期の韓国大統領よりも力を持つと言われているほどだ。政権としてはそのコントロールの合法的な手段も手放したくない訳だ。
昨年の「K防疫=大成功」自画自賛とは裏腹に、今年始めの「K注射器」や「国民全員分のワクチン確保成功」の宣伝とは裏腹に、韓国のワクチン供給不足は続いている。韓国大統領自らが公言していた「二度と日本に負けません」の政治扇動にもかかわらず、日本の接種完了率(33%)の半分にも満たない15%の接種完了率が韓国の現実だ。
現在、韓国のワクチン接種完了率15%はOECD38か国の中、最下位だ。このままなら文政権に対して「コロナ戦犯論」が起きてもおかしくない状況だ。結果的には反日政治扇動による事業自得とも言えそうだ。
政権の属性を理解する良識のある韓国国民ならみんなが知っている。「三星3代目」イ副会長の仮釈放の手綱が求めているのは、政権が失敗した「ワクチン」と「経済」であることを。
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