韓国特別検察官、セウォル号沈没事故の証拠改ざん疑惑について「ねつ造はなかった」と 結論(画像提供:wowkorea)
韓国特別検察官、セウォル号沈没事故の証拠改ざん疑惑について「ねつ造はなかった」と 結論(画像提供:wowkorea)
韓国で2014年、修学旅行中の高校生ら約300人が犠牲になった旅客船セウォル号沈没事故の証拠改ざん疑惑について、特別検察官が10日、90日にわたる捜査の結果を発表した。セウォル号のCCTV(防犯カメラ)とDVR(映像録画装置)のねつ造の可能性、政府対応の適正性などの疑惑に実体がないと結論付けた。

 セウォル号特別検察官(特検)のイ・ヒョンジュ検察官は10日、ソウルソチョグ(瑞草区)のソウル地方弁護士会館で記者会見を開いた。「セウォル号のDVRのすり替え」や、「セウォル号のCCTVデータのねつ造」疑惑について、「これを裏付ける証拠がないため、公訴を提起しないことにした」と発表した

 特検は2014年6月22日に回収されたセウォル号のDVRは、ねつ造本ではなく原本だと判断した。特検は「捜査の結果、DVRが2014年6月22日以前に回収されたという証拠は見つからなかった」とし、「DVRがすり替えられたとする根拠も見つからなかった」と説明した。

 続いて「誰かが密かにセウォル号に侵入し、視野の確保が非常に難しい水中で、セウォル号の3階にあったDVRを回収したとは考えにくい。誰にも気づかれず抜け出すことも極めて難しい」と付け加えた。

 また、特検は「ねつ造の痕跡としていわれた特異現象は、データ復元の過程で一般的に発生しうる現象」と明らかにした。特検は「国立科学捜査研究院から、このような『現象はねつ造の根拠と見ることは難しい』という趣旨の鑑定結果を受けた」と説明した。

 これに先立ち、社会的惨事特別調査委員会(社惨委)は、2014年に裁判所に提出されたデータの「ベッドセクター特異現象」、「ページファイル特異現象」などがねつ造の痕跡にあたるとし、復元作業の過程でCCTVのデータが改ざんされた可能性があると主張していた。

 さらに特検は、セウォル号のDVRと関連した政府対応の適正性についても公訴を提起しないことにした。 特検は「大統領記録物や海軍・海洋警察の通信資料を含む諸証拠を検討した結果、DVRに関連した政府対応の適正性について、犯罪容疑を発見できなかった」と明らかにした。

 李氏は「今回の捜査で関連疑惑が解消されることを願う」とし、「セウォル号の遺族の方々に改めて深い哀悼の意をささげる」と述べた。

 今年5月13日に発足した特検チームは、同日までに海軍22人、海洋警察18人、社惨委関係者5人、犠牲者家族6人を含む78人を取り調べた。また、海軍本部と海洋警察庁本庁をはじめ、最高検察庁、大統領記録館、海洋水産部など10か所を家宅捜索した。また、約169TB分のデジタル証拠を確保し、4000時間相当の海軍および海洋警察の音声交信を録音・検討した。特検は、特検法によって1回の捜査期限を30日延長申請し、大統領の承認によって90日間の活動期間を終えた。
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