韓国の各メディアは、この「はじめての防衛白書」に掲載されている資料の日本地図で、「独島(竹島の韓国名)を竹島と表記し、自国の領土として描いている」と指摘。ソウル新聞は「日本の防衛省、子ども用の防衛白書にも『独島=竹島』挑発」の見出しで報じた。
韓国外交部(日本の外務省に相当)は同日、外交部のイ・サンリョル(李相烈)アジア太平洋局長が在韓日本大使館の総括公使に、日本の外務省のアジア大洋州局長代理に外交ルートを通じて抗議。駐日韓国大使館のキム・ヨンギョル(金容吉)公使も「独島は明確に韓国の領土である」として、資料の削除を求めた。
16日に防衛省のホームページに公開された「はじめての防衛白書」は、先月に公開された「令和3年版 防衛白書」を児童・生徒向けに再編集したもの。日本周辺の安全保障環境や、防衛省・自衛隊の取り組みについて平易な言葉を使って説明している。子ども向けの防衛白書を作成したのは、本年度が初めてだ。
防衛白書には2005年から毎年、日本の竹島領有権を主張する内容が記載されており、公開される度に韓国側が反発。
先月公開された令和3年版にも竹島が「わが国固有の領土」と明記され、外交部は在韓日本大使館の相馬弘尚総括公使(当時)を呼び抗議した。相馬公使は「ムン・ジェイン(文在虎)大統領はマスタベーションをしている」と発言したことが報道され、日本に戻ってきた韓国通の人材だ。
「はじめての防衛白書」では、「日本の周りの安全保障環境」の章の「インド太平洋地域」の項目で「この地域の中には、ある土地がどの国のものなのかをめぐって争っている領土問題や、朝鮮半島のように一つの民族が二つに分断され、互いに軍事的に対立している場所もあります」との解説がある。しかし、竹島に関する具体的な記述はない。
中国やロシアと領土権争いが続いている尖閣諸島や北方領土について、具体的な解説があるのに対し、「竹島」に関しては、「わが国周辺海空域での警戒監視イメージ」と題し、日本地図が描かれた資料に「竹島」と表示があるのみだ。
それにも関わらず韓国側は反発を見せており、これは東京五輪開催前、大会組織委員会の公式ホームページの地図を拡大表示すると竹島が描かれているとして韓国が抗議したのと類似した状況となっている。
竹島をめぐる最近の韓国の主な動きでは、海洋水産部(部は省に相当)が今月5日、竹島の様子をインターネット上で生中継するサービスの運営を始めると発表。島のさまざまな姿を国民がいつでもどこでも見られるようにすることで、島への関心を高めることが狙いという。
また、事前に映像で現地の天候などを確認することで、訪問時の利便性向上にもつながると同部は説明している。このネット中継に日本側は直ちに抗議し、中止を求めている。
また光復節(韓国の独立記念日)の15日には、独島の管轄権を主張しているキョンサンプクド(慶尚北道)が、島周辺の上空を飛行機で遊覧するツアーを開催。
韓国紙・中央日報は「『胸いっぱい』独島の空の道が初めて開かれ、こみ上げる90人」の見出しで記事を掲載し、一般参加者や島関連団体の会員ら約90人が遊覧飛行を体験する様子を伝えた。
また記事は、「独島上空は軍事訓練地域のため民間の航空機は飛行できないが、キョンサンプクド(慶尚北道)が国防部と1か月間の協議を重ねて初めて民間飛行機の飛行が可能になった」などと報じた。
日本の防衛省は子ども用の防衛白書を初めて公開したが、それに対しても韓国側が独島の自国アピールをする展開となっている。
歴史を辿っていくと、1965年の日韓国交正常化の過程でもこの島は交渉の妨げとなっていた。当時の両国代表は韓国が島を実効支配する状態でお互いに言及・刺激をしないとの密約を交わした。しかし、韓国側の被害意識で段々大きな騒ぎとなり、実質上の解決不能な問題と化した。
オリンピック公式ホームページの件も反日教授ソ・ギョンドク氏が騒いだから大きな問題と化した。その結果は世界の人々が東京で目撃したとおり。
静かに待ってばなんの問題もないまま「韓国領」として実効支配が続くはずの島に対して、莫大なエネルギーを使って騒ぐ韓国の運動家は、自ら首を絞めているかもしれない。不思議な国の島である。
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